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死神は泣く  作者: haruharu
5/5

違和感

前回に引き続き、書きたいもの書いていきます。よろしくお願いします!

~第五章~

 僕にとって死というものは、解放である。


だから。


―――――自分の手と足が動かなくなった時、何も感じなかった。

 ああ、死ぬんだな、そんな感慨を持った。でも、怖いものは怖かった。それを開放だとはいったが、人間の本能が”それ”を忘れさせてはくれない。だが、とどめを刺す敵も、もういなかった。

 僕は任務を遂行した。向かいの廃ビルに敵を見つけ、三人までは移動を繰り返しながら、なんとかばれずに倒すことができた。だが、残りの七人は固まっていて隙が覗えなかった。そのため、侵入を試みたのだ。すると、敵はちょうど仲間の死体を見つけたところのようで、警戒が強まっていた。激しい抵抗を受け、苦戦の末ようやく制圧したのだが、戦闘により老化した建物の骨組みが崩れ、命はまだあるものの、右腕右足がつぶされてしまった。

 もう、戦場には出れないかな...。

なくなったはずの右腕が震える感覚を覚え、思わず肩を押さえつけた。まだ血の流れるその様子は、刻一刻と死の近づく様を具現化していた。だんだんと意識が薄れていく。ふいに、赤い髪が頭をよぎった。なぜ?だが意識は消えかかる。周囲が騒がしくなってきた。敵かな?もう死ぬのかな...。

遠くで、聞き覚えのある声が聞こえた。


そこで意識は途切れた。







 夢の中で、僕はウイルスと話していた。

「なぜ君は」

「ん」

「僕を使わないんだい?」

白く、境目のない空間に二人きり。幼い少年の姿をした美形のそれは、愚門を投げかけてくる。

「使ったら、寿命が縮むからだよ」

赤い髪の少年は笑った。

「それはそうだけれどね?君は死にかけたでしょ?なぜその時に使わなかったのかと思ってね」

「僕は死んでも構わない」

「そんなこと言うなよー。友達できたでしょ?」

「...」

「それに、だ」

赤い瞳をした少年は続ける。

「君の能力が無駄になってしまうよ。君は”回復”できるだろ?ほかのやつらはばかばか殺すしさ。”唯一”人を救える能力なんだから」

「それは、君の意志?」

彼は少し苦い顔をして言う。

「...まだ教えられないかな。それより」

彼は笑った。

「速く行かないと、皆が死んでしまうよ?」





 目が覚めるとそこは病院だった。何人かの人の影が、視界の隅に発見できた。

「目が覚めたか」

「...」

 一人はガザンだった。無駄に体力を使わないために喋らない。だが、首を振ってこたえた。腕と足は見ないようにして体を起こす。時計を見ると午後六時五分。

「言いたい事は分かる。作戦は成功した。これは良い報告だ。だが、悪い報告もある」

 首を縦に振る。ガザンは続けた。

「奴らがまた、周辺に兵を送ってきた。空爆は囮で、こっちが本命だろうな」

 そうか...学校はどうなったかな...


『?』


なぜそんなことを考えた?

表情が歪む。顔を伏せた。それを見たガザンが、微笑んだ気がした。

「さっきの話だが、あの基地が潰されたことで人員が間に合っていない。このままだと制圧されてしまうだろうな。取り戻せばいい話だが...それはそうと」

顔を上げる。

「お前の学校が危ない。どうする?」

「...行くよ」


どうだったでしょうか。評価等よろしくお願いします!

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