表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職が始める異世界争乱記  作者: 六輝ガラン
争乱1 巨悪竜の砂漠、インシジャーム
54/190

三十九話 太陽と月の邂逅-18

「主様、お体の調子は如何ですか?」

 物思いにふけっているとノック音に続いて、アワイが部屋に入ってきた。

 アワイはガブを抱きかかえている。ガブは眠たそうだ。


「騒ぎがあったようでございますね」

「ああっ、魔剣アナラビと一戦交えた。奇跡的に勝てはしたけど」

「アナラビですか。かの魔剣は光明五剣に数えられる精霊武具でございます。運だけで下せる相手ではないと思いますが……」

「何かすごそうだな」

「常人種が振るうことを許された最高位の剣といって過言ではございません。アナラビは何処に」

「真っ二つに折れた。その後はわからない」

 たしか、アナラビは博物館の所蔵品だったよな。損害賠償とか請求されたらヤバそうだ。


「それは良かった。ようやく解放されたのでございますね」

「解放?」

「アナラビのような精霊武具は、精霊術の素質がないものでも扱うことができます。精霊を召喚するわけでも使役するわけでもなく、ただ、武具に宿らせた精霊から力を引き出すのでございます。もちろん、無理やり武具に精霊を宿らせる方法は悪手ですから、通常は契約を結んだ上で武具が形成されるのでございますが……。一度、武具に宿った精霊は自ら契約を破棄するこができません。本来、一代限りの契約が、二代三代と継承されてしまうこともざらでございます。戦場なので使い手が命を落とした場合など全く縁も所縁もない者の手に渡ってしまうこともございます。このように常人種の不義に長い間晒され続けると、封じられた精霊は変質してしまうのでございますよ」

 もしかしたら、アナラビも苦しんでいたのかもしれない。だから、暴走した。


「しかしながら、主様。どのようにして、アナラビの刀身を分断したのでございますか?」

「火竜丸ーー精霊器を使った。それに凛、妹がだいぶ頑張ってくれたから」

「妹様でございますか?」

「さっきまで、ここにいたんだけど。アワイは凛と会ってないのか?」

「気絶した主様とガブをここまで運んできたのは兵士でございます。兵士も、妹様のことは言っておりませんでしたが」

 凛はアワイのことを知っているような口ぶりだったけど……。


「きっと、入れ違いになってしまっただけでございましょう。それより、主様は精霊器を使いこなせると判断して良いのでしょうか」

「一応は使えると思う」

 火竜丸ならすぐに再現できると思う。一度膨らませた風船が、膨らませやすいのと同じだ。


「であるならば明日から始まる入隊試験も、問題ないでござますね」

「大丈夫かな」

「主様はできる男でございますから。残りの時間は休息をとって英気を養いましょう」

「了解」

 アワイは用事があるらしく、部屋を出ていった。寝息を立てて丸くなっているガブの背中を撫でながら今日の出来事を思い返す。



 色々なことがあった。記憶もだいぶ戻ってきた。何より、凛に会えた。やっぱり、今までどうりってわけにはいかないよな。

 使命というか仕事というか。俺は姉ちゃんと凛を守るために行動しなけらばならない。できれば、アワイやガブ、ソール達とも上手くやって行きたいとは思う。

 何も失いたくないと考える俺は少しばかり傲慢だろうか。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ