表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職が始める異世界争乱記  作者: 六輝ガラン
争乱1 巨悪竜の砂漠、インシジャーム
39/190

二十五話 太陽と月の邂逅-3

 せっかく有意義な情報を教えてくれたわけだし、何か適当な物を購入しよう。

「なぁ、おやっさん。おススメの防具とかってある?」

「おやっさんてお前、俺はまだ40前だぞ。まあ、お前くらいのガキがいてもおかしくない歳ではあるがな」

 防具はどうやら店の中にあるらしい。さっさと買い物を済ませて、博物館に向かわなければならない。



 何かが俺の背中にぶつかってきた。突然のことに反応できず、ガブともども地面に倒れた。木箱が倒れて武器が散乱している。

「痛い。ガブは大丈夫か?」

 背中に誰か乗っていて起き上がれない。

「ギィ~」

 さすがの寝坊助さんも目が覚めたらしい。


「イテテテテ。さすがにさっきの斬撃、直撃してたら危なかったかもにゃ」

「はやくどいてくれると助かる」

「ごめん、ごめん。でも、リンはそんなに重くないと思うけど。よいっしょっと」

 見上げた先にあったのは黒髪のツインテールとチェツク柄のプリーツスカート。


「そこの優男君は戦力になるのかにゃ?」

「戦力?」

「状況把握能力はゼロか。オジサンは戦える?」

「無茶を言うな。俺はしがない武器屋の店主だ。あいつはどうしちまったんだ」

 全然状況が把握できない。さっさと起き上がったほうが良いみたいだ。



「あいつは何をしているんだ?」

 道の真ん中で男が剣を振り回している。通行人は避難済みのようで人影は見当たらない。

 道向かいの道具屋はすでに扉を閉めて防衛準備を整えている。

「もしかして、アナラビが暴走しているのか?」

「あの子は悪くない。未熟な使い手が全部悪いわけで。オジサン、武器を借りても」

「あぁっ、緊急事態だ。好きに使ってくれて構わない。しかし、君一人で戦うのか?」

「あの光剣は少し厄介だけど、何とかする」

 少女がダガー二本を拾い上げた。


「これなら持ちそう。中々の目利きだねオジサン。では、参ろうか」

 そう言った途端に少女は飛び出した。その動きは素人のそれではない。

 熟練された動きだ。脚力を生かした突進。一対のダガーが魔剣アナラビと激突する。


 目にも止まらぬ応酬が続く。



 半袖のブラウスに赤いリボン……恰好が女子高生ぽいんだよな。てことは彼女も異世界転移者なのか。

 そう言えば自分のことをリンって呼んでいたな。あれ、凛ってたしか……。


 俺こと神代栄太には、九歳違いの妹がいる。名前は神代凛。寄宿制の高校に通っている。それ以外の情報は思いだせない。

 でも、俺の妹があんな鬼強い美少女なわけないよな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ