百三十三話 末神の憂鬱-2
「とんでもない代物だな……おい、いつまでも口を押えてじゃねぇよ」
ツンツンさんは本当に短気なのです。
「ルピカにとっては、それは毒にしかならないのです」
「一つ、見当違いだ。二つ、俺なら上手く使える」
私を見下した上で、自分の有用性を主張するとか、小物臭がプンプンするのです。
「あん?」
ひええっ、またやってしまったみたいです。そろそろ、殴られかねません。
他の方々を呼んできたほうがいいかもしれないのですが……。
「急いだほうがいいな」
「同感です」
エナトスさんと私以外は、満身創痍状態です。あの美幼女が大半を浄化したとはいえ、ここはまだ巨悪竜さんの領域内ですから。
「これでチビッ子の負担は減るだろう? もし、ウムブラに遭遇したら俺が何とかする」
おっと、今のはポイントが高いんじゃないですか。さりげなく、私を気遣ってくれたではないですか! もしかして、エナトスさんは私に好意を持っているのかもしれないのです。
ニヤ、ニヤ。悪い気分はしないのです。
「どちらかと言えば嫌いの部類に入るな」
真顔でそんなことを言ってのけるツンデレさん。
しょんぼりです。ブロウクンハートなのです。
「……別にお前個人が嫌いってわけではないさ。無論、好きでもないけどな」
キターーーー!!!! ツンデレ率100%なのです! 眼福眼福。 もう少しこのやり取りを続けたい気もありますが、そろそろ本題に戻ったほうがよさそうなのです。
「ツンデレさん」
「一つ、意味不明だ。二つ、馬鹿にしてぇんじゃねぇだろうな」
おっと、そうでした。ツンデレなんて転生者くらいしか知らない事柄だったのです。無事に帰りついた暁には、バリークで普及活動に邁進するのです。
「いえいえ、最大限の誉め言葉ですよ」
「嘘だとわかった瞬間、殴るからな。覚悟しとけよ」
もう全てツンデレワードにしか聞こえないのです。
「ツンデレエナトスさん、そのブツでの回復はおススメできないのですよ」
「あの野郎は、そのつもりでよこしたんだろうが」
フム、フム、確かに。何でしたっけあの怖い人――神代さんでしたっけ。名前がどこまでも不穏な響きではあります。
プルートー、おっといけない呼び捨てはダメですよね。コホン、暗黒神様と単身で戦うとか。特異な水妖、調停者の集合体、超希少種の火竜をお供にするとか。
こんなブツを片手間で生み出すとか。チートを通り越して、ツート否、テートです、テート。
「確かに、あの野郎の力は未知数だ。だが、四の五の言ってられないだろうが」
自分の弱さとかを認めた上での判断、ポイント高いのです、エナトスさん。




