表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

夏休み

「助けて欲しいんだ」


 7月下旬。


 よく晴れた夏休みのある日。


 7月18日の終業式以来、一度も顔を見合わせていなかったクラスメイトの小早川から開口一番に告げられたのは、他の級友たちから聞いていた小早川に関する噂とは真反対な、SOSのメッセージだった。


「助けるって何を?」


 冷房が壊れているのか、やけに温度の高い喫茶店の窓際で、僕は額の汗を拭いながらそう質問した。そしてその後すぐ、野暮なこと訊いたなと自分の馬鹿さ加減に呆れた。


 一体この二週間の間に何があったのだろうと、僕は夏休みが始まる前の健康そうな外見をしていた小早川と、今目の前にいる細くやせ衰えた小早川の姿を交互に比べながらあれこれ考えを巡らせてみたが、どれも真実とはかけ離れていそうだったのでやめた。


 二週間でダイエットに成功したのだろうか?それにしてはずいぶん浮かない顔をしている。


 それに、僕が聞いていた小早川の噂を信じるのならば、小早川は夏休みが始まった後に太ることはあっても痩せることはないように思えたから。


「あのさ」


 小早川は充血した眼差しで、僕をじっと見つめながら言葉を発した。


「呪いってさ、あると思うか?」

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ