8,「復活と悩み」
連休中に頑張ってこれだけしか書けない遅筆さ。
べっ、別にゲームばっかりやってたからじゃないんだからね。
太陽のじりじりとした熱気に頭が上手く働かない。
「暑っ…。」
小澤先生からの話を聞いてから五日が経った。
その間、性別が変わったという事実も様々な経験を乗り越えるうちに認めざる負えないように思えた。(トイレと着替えは思い出したくもない…)
その先生からは先ほど退院許可をもらった。
どうも(性別が変わった以外は)体も健康体で以上も見られないようで、あっさりと退院できることとなった。
なので、三日後の土曜日にはもう病院から出て、家に帰ることになった。
窓の近くのベットの上で僕が回想をしていると、ガラガラガラという音とともに和が病室に入ってきた。
学校帰りなのでブレザーにスカートという中学の制服だ。
「俊兄〜。
来ったよ~。」
とりあえず我が妹が僕のことを兄として認識してくれているのがとてもありがたい。
「俊姉」とか呼ばれるかもとか思うと戦々恐々としてしまう。
「俊兄、体震えてるけどどうしたの?」
「いや、ちょっと嫌なことを考えてな。」
「ふーん」といいつつ、和は僕のベットのそばにあるイスに座る。
「そういえばさ。」
「どうかした?俊兄。」
「いや、家の様子はどうなってるのか聞いてないなと思って。」
「いつも道理だよ。」
とても嫌な予感がする。
基本的にこの妹は怠惰なのだ。
朝食を作るなどのしなければいけない仕事以外は一切行わないのである。
「俊兄いないし、結構ほこりがたまってきたかな。」
やっぱりかぁ~。
「掃除機ぐらい僕がいなくてもかけろよ。」
「俊兄帰ってきたらかければいいかなぁ、って。」
「いやいや、僕一月ほど意識不明だったんだぞ。
いつ帰れるかなんて分かるはずないだろ。」
和は僕をごまかせなかったからか「ちっ」と舌打ちをする。
僕はそれを見て、「ふぅー」と一つため息をついた。
「外に行こう。」
自分の思うように物事がうまくいかなかったうちの妹が急に言いだす。
たぶん自分の失敗をごまかすためだろうが、お兄さんはちゃんと覚えてますからね。
どうせ、帰ったら掃除するのは僕ですし…。
思い返して少しネガティブになっている僕は和にベットから引っ張り出される。
「俊兄が落ち込んでるのは、たぶんずっと病室に引きこもってるからだよ。
外の空気でも吸えばきっと元気が出るって。」
落ち込んでいるのはお前の所為だと言わない僕は大人だなぁ。
まあ、外に行くのは確かにいい気分転換になるとは思うのでその提案には乗る。
「まあ、外に出るのもたまには良いかな。」
「んじゃあ、決定ね。
ちょっと持ってて、先生に外に出てもいいか聞いてくる。」
こういうことはしっかりとしているのに家に帰ったら全然だめなうちの妹が部屋の扉を開けて、
トストスという足音とともに遠ざかってゆく。
それを見届けて、僕はベットから足を下ろし、大きな伸びをする。
そうしてから、一歩ずつ扉に向かって歩き出す。
和よ、扉はちゃんと閉めていこうか。
音楽の話題がまた遠くなる。
本当はこの話ぐらいで入れようと思っていたんですが…。
まあ、次の話で頑張って入れますね。
もうちょっとで第一部は完結させます。
十一月中で終わる予定だったのに…。