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ギルド登録手続き

稚拙な文章にお気に入り登録が50件以上も‥‥感謝です。御指摘等あればどんどんお願いいたします。

試合の後、カイゼル達はエレンという職員に連れられ、冒険者登録をするためにギルドに戻って来ていた。戻って来る途中、試合を観戦していた冒険者や野次馬達に取り囲まれ、ギルドに辿り着くのに一苦労ではあったが。

 

「それではカイゼルさん、こちらの書類に必要事項を記入してください。それと身分証の確認を行いますので渡していただけますか?」

「分かりました」

 

ギルドに着いてすぐ、エレンからギルド登録の書類を渡されながらそう言われたカイゼルは身分証をエレンに渡すと、書類の記入を始めた。その直後、

 

「ええっ!?」

 

エレンの突然の大声に、カイゼルだけではなくギルドにいた全員が驚いてエレンを見た。

 

「どうかされましたか?」

「い、いえ、カイゼルさんって男の方だったんですね。私は女性だとばかり‥‥」

 

エレンはカイゼルとカイゼルの身分証を交互に見やりながら、驚愕の表情を浮かべている。エレンの発言に周囲の冒険者達からも

 

「男!?マジかよ‥‥」

「信じられん‥‥」

「俺狙ってたのに!」

 

と、呆然とした声が聞こえてくる。

 

「し、失礼しました。記入を続けてください」

 

周囲の視線が全て自分に集中していることに気づいたエレンは、顔を赤らめてそう言った。

 

「しかし何で絡まれた時に男だと言わなかったんですか?」

「いちいち否定するのも面倒でしたので。騒ぎを大きくしたくありませんでしたしね。まあ結局はあんな騒ぎになってしまった訳ですが」

「なるほど、そうでしたか」

 

納得したエレンにカイゼルは記入の終わった書類を渡した。エレンは書類に不備がないことを確認し、カイゼルに身分証を返す。

 

「はい、結構です。これでカイゼルさんは、正式に冒険者として登録されました。少々お待ちください」

 

書類を手にしたエレンは、一旦ギルドの奥に下がった。

 

「お待たせしました」

 

しばらくしてエレンは、シンプルな木の箱を手に戻ってきた。

 

「こちらはギルドに加入した冒険者にお渡ししている物です。ギルドに登録している冒険者だという証明のようなものですね」

 

エレンが手にした木箱を開けると、そこには銀色に輝く指輪が入っていた。台座には美しい彫刻が施され、中央には大ぶりの青い宝石がはめ込まれている。

 

「この指輪はギルドリングといって、ギルドに登録している冒険者は常に着用が義務づけられています。ギルドの依頼を受ける際にもリングを提示していただかなければ依頼は受けられませんので、紛失したりしないようにしてくださいね。また、はめ込まれている宝石でその方のギルドランクも分かるようになっています」

「つまり、ランクによって宝石が違うということですか?」

「はい、ランクFは無色、ランクEは黄色、Dは紫、Cは青、Bは緑、Aは赤、そしてSは黒の宝石がはめ込まれています」

 

そこまで説明すると、エレンはカイゼルに指輪を渡した。

 

「私の指には少し大きすぎますね」

 

カイゼルが指を通してみると、指輪はカイゼルの指より一回り大きかった。

 

「大丈夫です。そのまま少しお待ちください」

「!?これは‥‥」

 

エレンに言われるままにカイゼルが指輪をはめたまま待っていると、指輪は淡い光を放ちながら縮みだした。やがてカイゼルの指ぴったりのサイズまで縮むと、光は消えた。

 

「そのリングの台座は特殊な魔法金属でできているんです。持ち主の指に合わせてサイズが変わるんですよ」

 

リングを不思議そうに眺めているカイゼルにエレンはそう説明すると、次に小振りな革袋を取り出した。

 

「こちらはギルド長からカイゼルさんへの試合報酬です。お受け取りください」

「ありがとうございます」

 

カイゼルはそれを受け取る。

 

「さて、これで登録の全てが終了しました。本日今から依頼を受けられるようになりますが、どうされますか?」

「そうですね‥‥少し依頼を見てみようと思います」

「分かりました。ランクCの依頼はあちらの掲示板に貼られています。受けてみたい依頼があれば、その依頼書を剥がして受付までお持ちください」

 

エレンの指差した方向には、壁に設置された掲示板に所狭しと依頼の紙が貼られていた。

 

「分かりました」

 

カイゼルはエレンに礼を言うと掲示板の方へ歩き出す。

 

「カイゼル様、依頼は明日以降でもよろしいのではありませんか?カイゼル様は今日転生なさったばかりなのですから」

 

カイゼルの後ろに付き従うディーナが、カイゼルにだけ聞こえるように囁く。

 

「大丈夫だよディーナ。どんな依頼があるのか、少し見てみるだけにするから。良い依頼があれば受けるかもしれないけれど、無理はしないよ」

 

カイゼルの言葉を聞いても、ディーナは少し心配そうな表情を浮かべていた。そんな彼女にカイゼルは微笑むと

 

「心配してくれてありがとう、ディーナ」

 

と声をかけた。その微笑みにディーナはわずかに頬を染め、俯きながら

 

「いえ、カイゼル様にお仕えする者として当然のことですので」

 

と答えるのだった。

 


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