9
食事のカートを通路に出し、テーブルで座っておちついていたら
「トントン」とノックの音が聞こえました。
「どうぞ」
と返事をすれば、神官?の方が一歩部屋へ入りました。
「ご老人、神官長様がお呼びです。神官長様の執務室までご足労いただきたい」
だそうです。まぁ、普通説明等ありますよね。現状で放置プレーはないと思っては
いましたが、ほっともしました。次の召喚いつかなぁと聞けますね。
もちろんこちらから聞くのは、NGです。理由は、興味があることを知られない
ためです。こちらの手の内というか私について何も知られたくありません。
こちらの都合を無視して呼んだ(召喚)のですからつきあう必要ないですね。
「案内お願いしますのぉ」
なんだかおじいさん用の返事おかしい?あんまり知らないんだからしょうがない。
神官さんの後を杖をつきつつ外へ一旦出てから隣の神殿へ向かいました。
昨日は、まともに見えてない&暗かったから今改めて大きさにびっくりしました。
日本のお寺と比べること自体変なんですよね?参拝する所しか知らないけど。
とにかく石造りで大きいってことで。
神官さんが、ある部屋の前で立ち止まりノックをしました。
「入りなさい」と返事がありました。
「失礼します、ご老人を案内してまいりました」
と言い、私が中へ入ったのを確認して自分は部屋から出て行きました。
うっ、神官長と二人かい。ボロ出さないように気をつけなきゃ。
「ご老人、お体はいかがでしょうか。何かありましたら言って下さい」
今の私の変装よりも若干若いって感じかな。
巫女さんも神官の人もそうだけどこの神官長さんも美形でした…。
テンプレ?
「・・・、ありがたいのぉ。問題ないかのぉ」
なんて返事すればいいのかわからず、ひとまずこんな返事で。
「ご老人には、申し訳ないことをしました。この国には、勇者が必要です。
明日の夜再度召喚の儀を執り行ないます。ご老人が触られた石で召喚を行って
います。勇者が触ると割れるようになっていて復活には、数十年必要です」
セーフ?割れなくて良かった。
「ご老人も立ち会われますか?」
えっ、マジですか?勘弁してください。
「わしは、翌日おちついてからでかまわないかのぉ」
「では、翌日の昼過ぎの勇者殿の王への謁見が終わってからとさせていただきます。
何か聞きたいこととかありますか?」
「そうさのぉ、わしも神殿での参拝がしたいと思っておるが、どうすればよいかのぉ」
「ここは、神殿の一番奥に当たります。逆にここから奥へ行っていただければ参拝の
できるところとなります。ご老人に関しましては、どこへ入っていただいても結構です」
「ありがたいのぉ、では早速行かせてもらいますかのぉ」
「少々お待ちください。先ほどの者を呼びます」