74 ジオ国 引き続き城にて2
<ジリー>
-ジオ国-
「すみません、陛下代理か腰巾着が来たようです。
片隅に寄って静かにして下さい。見えなくしますので。」私。
腰巾着って言っても誰も反応しませんでした。
“海、よろしく。”私。海が魔法を使えることを知るのは身内だけでいいでしょう。
“了解。”海。
皆が場所を移動し、魔法で見えなくなると同時に扉が開きました。
入ってきたのは、腰巾着。何をするために来たのでしょうか?
医療室だから怪我?、は無いか。私たちがばれた?、も無いでしょう。
アルに用かしら。
「なんだ、アルフォードはまだか。」とかぶつぶつ言ってます。
トントン、ノックの音が聞こえました。
“ヴェント、誰かわかる?”私。
“はい、昨日遅くまで話ていた人です。”ヴェント。
私と海以外の名前は覚えないのかしら?
アルが来たようです。
ノック後、扉を開けて入ってきて、椅子に座っている腰巾着を見て顔をしかめました。
「ドベルニク様、朝早くから何か御用でしょうか。」アル。本当に嫌そうですね。
「良い話だ。」腰巾着。
「お断りいたします。」アル。何も聞かずに返事しています。
「まだ、何も言ってない。きさまを陛下の側近に推薦してやろうと言うのだ。
宰相の私からの推薦だ。ありがたく受けることだな。」ドベ。
「結構です。謹んでお断りいたします。私は一医師で結構です。」アル。
「なんだと、この私の推薦を断ると言うのか、この城から追い出されてもいいのだな。」ドベ。
「邪魔ですから、さっさと出て行ってください。」アル。
「ふん、そんなことを言えるのも今のうちだ。」ドベは、いきおいよく扉を開閉して出て行きました。
「ジリーさま、お待たせいたしました。」アル。
「おはよう。アル。」私。
“海、皆を見えるようにして。オプスとリュミは、引き続きお母様を見えなくしてね。”私。
皆の姿が見えたアルは、一瞬硬直しました。
無理はないですよね。自分の部屋にトップ4+αがいるんですから。
「陛下、ご無事にお戻り何よりでございます。」 さすがアル、立ち直りが早い。
「アルもな。ところで此度のことで死者・怪我人はどの程度であった?」父。
「死者・怪我をした者どちらもおりません。
私たちは、突然集められてブラッドさまが王位に着くと言われただけです。
城内、城下の様子につきましては、まもなくギルバートとキースが来ますので報告させます。
皆様、食事の用意をいたしますのでしばらくこちらでお待ちください。」
とアルは部屋から出て行きました。
まもなく、カートを押してアルが戻ってきました。
皆が食事を終らせたのを確認してから、お父様が海を紹介しました。
「海、こちらへ。」お父様の言葉に海が私のそばからお父様の近くへ。
「この黒宮海をジリーの婚約者とした。本日、民へ発表することになる。」父。
「黒宮海と言います。よろしくお願いします。」海。
「ジリーさま、おめでとうございます。」宰相。
「「「おめでとうございます。」」」側近の二人&アル。
「ありがとうございます。お父様、嫌そうに言わないでください。」私。
“ジリー、きのうのひとたちきたよ。”アクア。
“アクア、ありがとうね。”私。
「ギルとキースが来たようです。アルお願い。」私の言葉にアルが扉を開けに行きました。
来月の更新は土曜0時の予定です。
9/10が目標。




