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72 ジオ国 城にて

<ジリー>


-ジオ国-


 「さて、ジリーさま、婚約者のことを教えてください。」アルが書くものを用意して聞いてきました。

 「発表に必要な項目を言ってもらえれば答えます。」私。


 「では、名前、年齢、種、国と立場からお願いします。」アル。

 「名前は、黒宮海。年齢24歳。種は人。髪は茶色で瞳はブルー。出身は、地球上の日本。

ゴルア王国の召喚者で勇者の親戚かな。」私。


 おっ、アル絶句中かな。手が止まってるし。


 「ジリーさま、召喚者って・・・。勇者の親戚ってなんですか。」アル。

 「そのままだけど、何か問題?」私。


 「問題あります。そんなことを口外すれば、ゴルア王国から横槍が入ります。」アル。


 「なぜ?あそこの召喚はかなり問題があるわよ。召喚された者への扱いが特にね。

召喚された者は、あそこへの義理も何もないわよ。迷惑なだけだし。

それと二度と召喚はできないわよ。魔方陣どころか建物も壊したから。」

海が破壊しましたから。


 「はぁ、何故ご存知か理由はお聞きしません。が、公表は控えましょう。」アル。

 「こちらは別に構わないけど。」私。


 「では、気を取り直して、馴れ初めをお願いします。」アル。

 「ふ~ん、そんなことが必要なの?」私。


 「やはり、世の女性はそういうのがお好きですので。」アル。

 「そうね。他国の大通りで体調を崩した私を助けてくれたのが海だったってことかしら?」私。


 「なぜ疑問なんですか?」アル。

 「海と会って前世を思い出したら、従兄弟だったからかしら?」私。


 「もう、どこに突っ込んでいいのかわからなくなりました。まさか勇者ではないですよね。」アル。

 「あら、良い勘してるわね。あの国から逃げ切った元勇者♪」私。

アルなら話しても大丈夫だろうと話しちゃいました。


 「冗談だったんですが・・・。これも公表なしで。」アル。疲れきってうなだれてます。

 「適当にお願いね。」私。


 「でも、どうやって逃げ切れたのですか。」アル。

 「たまたま召喚された時に二人とも仮装してたからかしら。」私。


 「仮装とは?」アル。

 「そうね、私の場合は、白髪の老人の姿形でいたから殺されかけて逃げ出したわ。

海は、黒髪に黒い瞳の元の世界の女の子に扮装していたらしいわ。

実際には、髪も瞳も黒くなくて男だから捜しようがないわね。私は、生まれ変わっているし。」


 「ジリーさまの規格外の理由がわかりました。

では、掲載事項ですが、ジリーさまの婚約発表と。

お相手について、名前は黒宮海、年齢は24歳、種は人。

馴れ初めは、ジリー様が他国で体調を崩して困っていたところを助けられてと。

こんな感じでいかがですか?」アル。


 「アル、ジオ国の王にならない?

私の身内がいなければ一番強いって条件も人望もクリアしているんだし。

はっきり言って、私は向いていないのよね。一般市民の感覚しかないから。

前世の記憶を思い出したからだと思うけど。お父様にも伝えておくから考えてね。

神に贔屓されている私と海が、国のトップっていうのは卑怯だとも思うのよね。」私


 「考えてみたことがない話なので、すぐに返事はできかねます。

どちらかというと参謀向きだと思っていますし。」アル。


 「それもそうだけど・・・。まぁ、この件が決着してからにしましょう。」私。


 「時間も遅くなってきましたので、そろそろ失礼させていただきます。」アル。


 「とくに話もないことだし、明日ギルとキースが来てからね。」私。


 「では、失礼いたします。」アルが部屋から出ていきました。


 「皆、いろいろフォローありがとうね。」

アクアから教えてもらいましたが、さりげなくオプスとリュミが部屋の入口を隠してくれていたり、

フラムが私を中心に声が漏れなくしてくれていました。

気づかないところでもいろいろしてくれていそうですね。

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