71 ジオ国 城にて
<ジリー>
-ジオ国-
「ジリーさま、その話はどちらで聞かれましたか?」アル。
「昼に城下町を散策していたときに屋台のお姉さんからです。」私。
「明日発表ならば、昨日私達に話した陛下のご乱心と陛下代理の件でしょう。
結構早い対応ですね。事前に決めていたスケジュールでしょうか?」キース。
「しかし、陛下代理と腰巾着だけで立てた計画だとは思えない。
他に何かご存知ではありませんか?ジリーさま。」フィード宰相。
「そう言えば、父に飲ませた薬は、ゴルア王国王弟に用意してもらったみたい。
で、その王の弟は、勇者の子孫だろうって。」私。
「うわっ、陛下代理嵌められてるって。」ギル・・・、ギルパパに小突かれてる。
「ギルフォードの言うとおりでしょう。あの国の魔国嫌いは異常です。
この国を弱体化させるために立てた計画としか思えません。
ただ、陛下代理といえど簡単にゴルア王国の王族にしてやられるとは考えられないのですが。」アル。
「ふむ、薬を使って操られていることも考えられる。
ひとまず、陛下にお戻りいただき、陛下代理と腰巾着殿に退場していただきましょう。」宰相。
「明日の発表はいかがいたしましょう。」アル。
「陛下代理の発表は、阻止しなくてはならない。発表内容を差替えるように。」宰相。
「はっ。ジリーさまの婚約発表にでも差替えましょう。婚約者について教えてください。」アル。
アルの最後のセリフはこっちを向いて言った。なんか引っかかる言い方だなぁ。まぁ、いいけど。
「はい、はい。」私。
「では、本日はこれで失礼させていただきます。明日は、朝に食事をお持ちいたします。」アル。
“ヴェント、医療室に人がいないか確認お願い。”
“ジリー、大丈夫です。”すぐに返事がありました。
「アル、ギル、キース、私のそばへ。」皆がそろったのを確認して転移。
「さて、今日はこれで解散と。
発表内容の原稿は今日中に作るから、明日差替え頼むな。」アル。
「了解。」キース。
「じゃあ、明日な。」ギル。
二人が帰ったので、アル、私、ジーンの三人になりました。
「さてと、ポーを呼びますか。」私。
“ポー、聞こえたら来て~。”ジーンの時と同じく、声に出さずに叫んでみました。
「呼んだ?」ポー登場。
「うん、呼んだよ。ねぇ、ポー、この人ってポーの眷属?」私。
「そう。能力は、感知レベル、魔力は多い。この国でなければ1番。魔法で普通に固定されてる。」
「この国だったら?」好奇心で聞いてみました。
「ジリー、海、王の次。」ポー。
あらら、陛下代理を抜いちゃいました。次期陛下にアルがなってもいいじゃん。
本気で皇太子辞めたいって思ってます。
「ねぇ、何のために?」私。
「たぶん、眷属が子孫が無事に育つように。
血が薄くなっている今なら問題ない、当時は人よりも龍の方に引きづられたと思う。」ポー。
「その魔法は、外すことはできるのだろうか?」アル。
「たぶん、海なら。ジリー?」ポー。
「海なら知っていそうね。というより外せる気がする。話は通しておくわ。」
知識があるうえに魔法使えるから。
「それと魔法を外すと容姿変わる。」ポー。
「えっ?」私。
「龍の血に引っ張られると思う。、髪と瞳の色が変わる程度。」ポー。
ポーの容姿に近づくのかな。
「アル。それでもいい?」私。
「お願いします。」アル。
「ジリー、問題がなければ帰る。」ジーン。
「ジーン、長くつきあわせてごめん。ありがとうね。
ポーもありがとう。また、何かあったら呼ぶからお願い。」私。
「わかった。」ジーンは返事をしてから数秒で帰り、ポーはうなずいてそのまま帰った。
次回更新 8月17日0時