70 ジオ国 再び城へ
<ジリー>
-ジオ国-
少々暗くなってきた頃に城下町からお城へ戻ってきました。
お城が近づいてきたら、キースにフードを被せられ背負われました。
で、ジーンの手を引いています。う~ん、わかってやってますかね。
「キース、何してんだ。そんなに子供好きだったか?」
「・・・、やっぱりギルですね。アルフォードにからかわれてください。」
「なんでだ?」
「・・・。ふぅ。医療室で説明します。」
ギルとキースが声を掛けられたら返しながら城へ入り、医療室へ到着しました。
途中、その子達は?って聞かれたら迷子とか、適当な返事をしながら。
「アル、ただいま。」一応挨拶。
「・・・、なんでギルとキースがいるんだ?」
「町で会ったからついて歩いたからかな?」私。
「キース、ジリーさまを。」アル。キースが降ろしてくれました。
「へぇ、ジリーっていいとこの子だったんだ。見えねぇ。」ギル。
「「・・・。」」アルとキースからじっとりと睨まれています。
「さて、二人とも睨むのはそれくらいで。ギルは天然だから。」私。
「「はっ。」」
“ヴェント。牢に行って今朝の三人以外がいたら連絡くれない?”
“はい、わかりました。”ヴェントが移動しました。
「キース、説明は?」ギル。
「アルフォード、どうする?」キース。
「はぁ、ギル、この国の皇太子の名前と特徴は?」アル。
「名前はジリーさま、10歳で女の子、王妃似で黒髪で赤い瞳だろ。」ギル。
「では、このジリーさまの特徴は?」アル。
「王妃さまに似ている女の子で、名前がジリーさま?髪と瞳が違うが?」ギル。
「ジリーさま、色については何かされてますよね。」キース。
「現在、何があるかわからないこの国へ入るのに、そのままはありえませんね。」私。
「まじか、俺鈍い?キース早く教えろよ。皇太子のジリーさま、話し方が?」ギル。
「もちろん、相手、場所を選んでいます。アル、キース、あとでギルを好きにしなさい。」私。
「「はっ。」」アル&キース。
びくっとするギル。
「そんなことよりも、アル、用意できていますか?」私。
「はい、できています。」アル。
「まずは食事を届けたいと思います。この二人は信用できますか?」私。
「はい、大丈夫です。」アル。
「では、手伝ってもらいましょう。」私。
「キース、そっちにある食事をこっちへ持ってきてくれ。
ギルは、この診察器具を持っていてくれ。ジリーさま、この位置でよろしいですか?」アル。
「そうね、キースはもっと近くへ。ジーン、最後までつきあってね。」
“ヴェント、今からそっちへ行くけど問題ない?”
“大丈夫です。”
じゃあ、転移しましょう。
牢の前の通路へ転移しました。
「フィード宰相。遅くなりました。」アル。
「げっ、父上。」ギル。
「叔父上。」キース
世の中狭いですね。アルは次期宰相と言われてたから顔見知りとは思っていたけど、
二人は、側近の身内だった訳ね。さてと、さっさ鍵を開けて食事をしてもらいましょう。
“ヴェント、鍵を開けてくれる?”
“はい、わかりました。”返事とともに鍵が開きました。
「さぁ、食事にしましょう。」
キースが、三人の前に食事の準備を始めました。スープ、サラダ、パンですね。
食事と診察が終ると宰相に話しかけられました。
「ジリーさま、陛下のご容態はいかがでしょうか?」
「もう大丈夫です。動けるそうですので。」明日、戻ることを言うか言わないか。
「そうですか。ほっといたしました。陛下あってのジオ国ですから。」
「ねぇ、陛下代理が民のための政治ができるなら、このまま変わっても良いと思う。
宰相とそこの二人がついていれば大丈夫な気もするけど。アルどう思う?」
「ジリーさま、少々人望がなさすぎる気がしますが。」
「それなら現在皇太子の私は、人に知られてないから人望ゼロよ。」
「ジリーさま、そういう問題だけではありません。ジオ国は、力の強いものが王になるのです。」
宰相が参戦してきました。
「お父様の次に陛下代理が一番だから問題ないのでは?」
私と海は、チートだから強い順に入ること自体NGな気もするし、お父様よりも・・・だから。
「ジリーさまが入っておりませんが。」アル。
「私と婚約者は、規格外ですから除外するべきでしょう。」わかって言ってますね。
「陛下がお戻りになってからの相談でよろしいのでは?
それよりもこれからいかがいたしましょうか。」側近の一人、ギルの父。
「お父様が戻るまで、宰相とアルでどうするか決めて欲しい。
それと、明日の昼に城から発表があるとのことだけど、どう思う?」
次回更新 8月10日0時