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(アクア、ヴェント、昨日来たばかりで何も知らないから、いろいろ教えて
欲しいんだけど、いいかな?)
(何でも聞いてください)(うん、いいよ)
(さっき、人間なのに声が聞こえると言っていたけど私以外とは話ができ
ないの?)
(はい、まず見えないと思います。魔力の強い人は、そばにいることを感じる
ことができるようです。数百年前は会話ができていたと聞いています)
(魔力が強い人は?ということは、アクア、ヴェントと話ができる私って
かなり魔力あるということになるのかな?)
(ゆうしゃだもん,あるよ~)
まじ?嬉しい!魔法ってやっぱり憧れてました。使えるといいなぁ。
(なぜ私が勇者になるの?)
(まりょくがおおくてきらきらしてるから)
(アクアの言う通りです。僕たちは、魔力と魂を見て言います。また、勇者
は、一人とは限りません)
(じゃあ、次に召喚された人も勇者かもしれないことになるのよね)
(そうですね)
(お願いがあるんだけど・・・。
私が勇者だって他の人に言わないで欲しいの)
(うん、いいよ)
(人間と会話することはできませんから問題ないと思いますよ。前の勇者も
見ることはできましたが、話まではできませんでしたから)
(ひじりはすごいよ)
(ここから誰にも見つからずに出て行きたいんだけどできるのかな?)
(んっと、ひかりとやみがてつだってくれればまほうがつかえなくても
みえなくしてくれるよ)
(光のは光を屈折させれますし、闇のは闇にとけ込ませることができます)
(光の妖精さんと闇の妖精さんに会うことはできるのかな?)
(聖に興味があると思いますのでそのうち現れると思いますよ)
(ひじりとおはなしできることいっておくね)
(アクア、よろしくね。ねぇ、二人と話がしたい時はどうすればいいの?)
(いつも近くにいますから、名前を呼びかけてもらえればすぐ答えれますよ)
(ありがとう。人の声が聞こえてきたからそろそろ部屋に戻るね。
またいろいろ教えてね)
さて、来た道を戻りましょうか。名前と言えば老人用の名前考えていません
でした。聖を読み替えて聖でいっか。姓は、神野
としておきますか。
ベンチからよっこいしょと腰をまげた状態で立ち上り、杖を使いながら歩き
はじめた私の顔は、行きとは全く違います。行きは、今後のことを考えていた為
かなり難しい顔でしたが、帰りは妖精さん達のおかげで先行きに希望が出てきた
のでにこやかになりました。