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66 ジオ国の城にて

<ジリー>


-ジオ国-


 “オプス、リュミ、見えてるって~。”


 “そうみたいですね。

他の人には見えてないようでしたので、この方が特別でしょう。

誰かの加護があるのではないでしょうか?”


 “彼から見えるようにして。”

 ““はい。””


 「あなたは、加護持ち?」


 「いいえ、少々勘がいいだけだと思います。

実際、見えていたからではなく、そんな気がしたからですので。」


 「そう、さっきの返事だけど敵じゃないと思うわよ。」


 「そうでしょうね。初めまして、ジリーさま。」


 「よくわかったわね。」


 「お姿を拝見すればわかります。髪と瞳の色は違いますが、王妃さまに似ておいでですので。

ところで今回のことは、どこまでご存知でしょうか?」


 「あなたたちとほとんど同じよ。この国に戻ったと同時に結界がとぎれたの。

だから、ひとまず結界を復活させて、その後でお父様とお母様を助け出したわ。

ただ、、体温がなく、脈もなかったから、話しができていないわ。

そのうえ、治療法がわからないから、フィアンセに任せたわ。こんなところね。」


 「はい?こんなところね、じゃないですよ。結界はジリーさまだったんですか?

それにすでに王と王妃を助け済みとは。なんなんですか、あなたは?」


 「ん?規格外?」


 「それにフィアンセって発表されてませんよね。」


 「あら、まだだったかしら?お父様とお母様の許可は出てるけど。」


 「突っ込むところが満載で訳がわからなくなってきました。

どうせ、明日にならないと情報も集まりませんので今日は休んでください。」


 いつの間にか外は真っ暗。まもなく深夜。

忙しい一日だったとしか言えないわね。明日なら海と話ができるだろうし。


 「ここのベット借りたいけどいいかしら?」


 「はぁ?部屋に戻って・・・は、駄目ですね。どうぞ。

食事はこちらに用意させていただきます。」


 「ありがとう。町へ食べに行く予定だったから助かるわ。」


 「深窓の・・・、病弱・・・。」


 なんか言ってるわね。名前聞いてないけどアルって呼べば良いか。


 “オプス、リュミ、見えなくしてね。”

 ““はい。””


 「アル、情報収集に行ってくるから。じゃあね。」

伝えたらさっさと壁を通り抜けて廊下へ。


 陛下代理は、どうせ執務室にいるだろうから行くとしましょうか。 

ヴェントも待っているだろうしね。


 “ヴェント、いる?”

 “はい、中にいます。”


 “扉付近に誰もいないかしら”

 “大丈夫です。”


 確認して入ることにしました。満員電車は、もうないと思いつつ。

入って片隅へ移動。中には、陛下代理と側近がいました。


 “ヴェント、この二人は何を話していたの?”

 “はい、結界の復旧を誰がやったのか不思議がっていました。”


 そうよね。自分がやったって言ったんだから、気になるわよね。


 「陛下、結界の件はともかく、王と王妃はいかがされますか?

地下牢で陛下自らが入り口を塞がれましたので誰も出入りできまませんが。」 


 「放っておけ。特殊な薬を飲ませてある。死んでいるようなものだ。

私より上位の魔術師はいないから助けることはできない。」


 「それでしたら問題はございませんね。皇太子はどうしますか?」


 「ふん、病弱な娘一人で何ができるというのだ。捨て置け。もう、下がれ。」


 「はっ。」側近は部屋から出て行きました。


 残った陛下代理は、懐から鏡らしきものを取り出しました。

何かぶつぶつ唱えると鏡が輝き始めました。


 「セレン殿。こちらはうまくいきました。そちらはいかがですか。」


 「予定外のことが起こってしまって、現状は変わっていないですね。

城と神殿が地震で壊されました。何か腑に落ちない地震でした。」


 鏡から声が聞こえてきました。携帯もどきの魔具のようです。

へぇ、なかなかできる人がいるんですね。


 ?聞き捨てならない話も聞こえました。

城と神殿の地震ってゴルア王国のことですね。やっぱり繋がりありですか。


 「そうですか。そちらが動かれるときに連絡をください。

そうそう、セレン殿の薬はさすがですね。無味無臭で効果は絶大。

いつかお教えいただきたく思います。」


 「いえいえ、ブラッド殿の魔術こそ。洗脳の際には助かりました。

ただ、まだ勇者を捕まえていないので何とも言えませんが、

勇者をこちらがわに引き込む良い方法だったと思います。

進展がありましたら、連絡させていただきます。」


 意味がわからない話も聞こえてきましたね。

なんでジオ国を敵にすれば勇者を味方に引き込めるんだろう?

まぁ、いいか。医療室に戻ることにしましょう。


 医療室に戻るとアルが仁王立ちで腕を組んで待っていました。

もしかしてお小言?説教ってスタイルですね。

私って一応魔王代理のはずなんだけど。


 「ジリーさま、どちらへ行かれていたんですか?」

姿見せていないのに・・・、本当に勘?


 「執務室ですけど、それが何か?」


 「全く、ジリーさまは何をお考えですか?」


 「ちゃんと情報収集って言って出たじゃない。」


 「言い逃げで、ですよね。止める間もなかったではないですか。」

うっ、ばれてますか。


 「陛下代理について知りたかったから、しかたがないでしょ。」


 「気持ちはわかりますが・・・。

とにかく、こちらで食事をすませてお休みください。」


 「は~い。」


 用意された食事をして、ベッドに横になると同時に眠りについた。

次回7月13日0時に更新します~。

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