55 森の魔女の家
<ジリー>
-ゴルア国-
返事とともにグリーさんの家の前に到着。
海がノックしました。ん、静かね。
「グリューネさん、いらっしゃいませんか?」
海の声が届いたと同時に扉が開きました。
私、海、ジーン、ポーの喉元へ槍や剣がつきつけられました。
王都の騎士のようですね。
さて、グリーさんはどこかしら?
まさか、ここの結界が破られているとは思わなかったわ。
おとなしく捕まってみるのもありね。
“皆おとなしく捕まって、状況が知りたいから。”皆に呼びかけました。
「なんでこんなところにガキがいるんだ?」一人の騎士がつぶやきました。
そういえば10歳児3人に海だもんね。
海の見た目は、この世界では20歳未満かな?
「グリューネさんは、いらっしゃらないのですか?」海が訊ねました。
一応保護者役をしてもらわないと困ります。
「お前たちは、何をしにここへ来たんだ。」尋問開始?
「親の薬をいただきに来ました。この子たちの子守も兼ねてますが。」
子守?まぁいいけど。
「何かあったんですか?」
「森の魔女を王の命により捕らえに来ている。」
「ここはグリューネさんが許可した人しか入れないと聞いていたのですが。」
「そんなものは、知らん。」
「?」おかしいですね。
「なぜグリューネさんを捕らえるのですか?」
「何か国宝を強奪して逃走したそうだ。」なんのこと?
「あの、薬がないと親の病気が治らなくて困るのですが、どうしたらいいですか?」
「他の薬師のところへ行け。」ひどい、まぁ正論?
「そうですか、 薬師を探しに行きます。槍と剣を離してください。」あぶないんだから。
「すまん。帰っていいぞ。」せっかく捕まってみたのに意味がなかったみたいです。
「おい、ちょっと待て。おまえ名前は?」別の騎士です。
「うみと言います。」?。
「カイとヒジリという名前に聞き覚えはないか?」なぜ私達の名前を知っている?
「いえ、ないですが、その名前がなにか?」
「森の魔女と一緒に手配されている。」
「何かしたのですか。」
「森の魔女の助手で魔術師だそうだ。」
「そうなんですか。そろそろ失礼します。」
その場から離れて町に向かって歩きました。
グリーさんの家からかなり離れてから森の奥深くへ行き先を変えて進みました。
人が来ない場所へ到着してから、結界を発動させて腰を下ろしました。
「ねぇ海、変よね。」
「ああ、なぜ俺たちの名前が知られているんだ?」
「私は、グリーさんと暮らしていたからありえる。でも、海との繋がりは知られていない。」
「二人そろっては、城へ助けに行った時だけだね。」
「あの中の誰かがスパイということかしら?
それとも牢に何かしかけてあったか?でも、結界のことが変ね。」
「スパイだと思う。その人が結界を無効にしたかも。」
「そんなことできるの?」
「グリューネさんが、権限を与えていればできると思う。」
「グリーさん大丈夫かしら?スパイがいるってわかっていればいいけど。」
「俺は、顔が知られているから変えないとな。そうだ、ブランも姿か色変えた方がいいな。」
「私は鳥にするさ。ジリーの肩にいればいいだろう。」ブルーの小鳥になって肩へ。きれ~。
「さて、グリーさんがどこにいるか知りたいんだけど。誰か調べにいけない?」精霊の皆に話かけました。
「私とアクアが仲間に聞いてきます。少々時間をください。」ヴェント。
「ヴェント、アクアお願い。」