53 ジリー&海 VS 父?
<ジリー>
-ジオ国-
ゴルア王国の町はずれからジオ国へ戻ってきました。
海、ジーン、ポー、ブラン、精霊の皆も一緒に。
お父様とお母様の所に行きましょう。
「お父様、お母様、お話があります。そのために一度戻りました。」
「何かね。」
「こちらにいます、黒宮海を結婚を前提の婚約者として認めていただきたいのです。」
「何を突然言うのかね。認めることはできん。」
やっぱりね。でも、認めるしかないですよ。(くすっ。)
お母様は、にこにこされています。私の好きにさせてくださるようです。
前世で結婚できなかったから今度はと考えています。
だってねぇ。今度は、姉弟じゃないんですもの。
「それでは、私、皇太子を辞退いたしますわ。で、他の国へ行きます。」
「それは、ならん。」
「それでしたらどうすると?私実力行使しますわよ。友人も味方してくれますもの。」
皆にも言ってないけど大丈夫かしら?そちらを見たら皆うなずいてくれました。
「ジリー、それは卑怯というものだ。」
「お父様、言ってませんでしたが、海はお父様より確実に強いですわよ。
最初から魔王以上の魔力に魔法も使えますから。」
「ジリー、ばらしていいのか?」いままで黙っていた海が心配そうに言いました。
「いいんじゃない?ついでに今の私ならお父様以上ですもの。
皆も協力してくれるわよね。」
上空に視線を向ければ、皆がにこにこ手を振ってくれました。
「ジリー、何があったのだ?今朝と違うが。」
「前世を思い出しました。そのせいだと思います。それと、海は従弟でした。」
さすがに姉弟とは、人聞きが悪い。
「もう何も言わん、好きにしろ。」何も言えないでしょうね。
「お父様ありがとうございます。」やったね。
「ジリー、おめでとう。」
「お母様、ありがとうございます。」
「魔王様、初めてお目にかかります。黒宮海と言います。
ジリーとの結婚を認めていただきありがとうございます。」
「ジリーをよろしく頼む。」
「はい、命に変えましても守ってみせます。」
ちょっとお姫様みたい。違う、私はお姫様だわ。
「お父様。私、見聞を広めるために旅に出ます。許可をお願いします。」
「はぁ、好きにしろ。止めても聞かないんだろ?」
「はい。心配されなくても、勇者相当の海、龍の二人、神の眷属、精霊の皆が一緒です。」
「どこにつっこめばいいのかわからんのだが。」お父様お疲れのようですね。本気にしてませんね。
「ジーン、ポー、一緒に旅する?」お父様にはメンバーと言ってしまいましたが。
「おもしろそうだからついてくよ。」
「うん。」さすが二人とも遊び仲間。暇なんでしょうね。
笑えるようなメンバーです。このメンバーなら国を落とせそうな気がする。
冗談にならないので止めますが。
「クレアル、魔術を解くから瞳の色を前と同じにしてもらえる?」
私が、魔術を解いたら、クレアルが私の目の前に来てくれました。
「ジリー本当に魔族なんだな。きれいな赤だ。」海が横から見ていました。
「海と同じブルーでいいですね。」
「それでお願い。」
「終わりました。」
「クレアルありがとうね。」
お父様とお母様が固まっています。説明いるのかしら?
ジーンとポーは笑っていますけど。
「お父様、お母様大丈夫ですか。」声をかけたら立ち直ったようです。
「今のはなんだったんだ?」
「創造の精霊に魔法をかけてもらっただけですが?」
「ジリーは精霊が見えるのか。」
「前世の記憶が戻ってからですが。」
「そうか。お前は規格外なのだな。」疲れたようにお父様が言いました。
「ジリー、いいわね、楽しそう。私も行きたいわ。」
「お母様、私は構いませんが・・・。」
「それは勘弁してくれ。」お父様の泣きが入りました。
愛妻家のお父様ですもの手放せないでしょうね。
もし、お母様が行くとなると、お父様は魔王を止めて一緒に来るんでしょうね。
それもおもしろいかもと思います。
ただ、お父様がいるからジオ国の平和がある現在です。
お父様が出たらジオ国は滅びるでしょうね。祖国が亡くなると困ります。
「お母様、ジオ国のためにあきらめてください。」
「しょうがないですね。」私の気持ちがわかってもらえたようです。
「さてと、皆、私の部屋で旅の相談をしましょう。」