49 ジリー
<ジリー>
-ジオ国(魔族の国)-
「お父様、私、勇者が見たいのでゴルア王国へ行ってきます。」
「ジリー、何を言うんだ。あんな危険な場所へ行かせられるわけがなかろう。」
「あら?お父様の次に強い私ですよ?この世界で二番ではありませんか?」
「二番と言っても魔力は私より多く、魔術師として私を抜くのも時間の問題であろう。
しかし、勇者は私を倒せる力を持つと言われている。危険だ。」
「大丈夫です。遠くから見るだけですので。護衛も無しでお願いします。」
「そんなことできるわけなかろう。」
「この国のものを連れて行くと足手まといです。」
「しかし、人間の国についてあまり知らないのではないか?」
「いいえ、トゥルゴバスキ国へは、よく遊びに行ってますよ。」他の国も・・・。
「ジリー、聞いてないぞ。」言ってませんもの。
「反対されますので言ってません。」
「護衛と侍女は何をしていたんだ。」
「あら、影を置いていきましたから、気づかれませんよ。」
これ以上反対したら実力行使です。
「ジリー・・・。好きにしなさい。」あら、よくわかってますね、お父様。
「勇者のお披露目を見るだけですので、2日以内に戻りますね。」
「戻らなければ、皆で探しに行くぞ。」それは、困りますね。戦争になります。
トゥルゴバスキ国まで転移して、そこからゴルア王国までどうするかね。
愛馬?のジーンと一緒なら1日かからずに到着できるわね。
ゴルア王国に一泊して、勇者見物をして、町外れからここへ転移で戻ればいいわね。
宿で一泊できなくても、ジーンとなら野営で構わないし。
食料は、トゥルゴバスキ国で購入してと。さずがに女の子の姿で一人旅は駄目ね。
男の子に変装してけばいいわね。後は、勇者のお披露目の日待ちね。
早く五日後のお披露目の日が来ないかしら。
えっと、改めて自己紹介をさせていただきます。
名前は、ジリー。
ジオ国の第一皇女として生まれました。一応皇太子。次期魔王です?
現在、10歳。
容姿は、人と同じで、黒髪、赤い瞳。(赤い瞳は魔族の証。)魔力が以上に多い。
父親は、現在魔王のジルダキュ。平和主義者。
数百年かけて争いの無い国に制定。ジオ国だけで自給自足できるようにしました。
ジオ国全土に鉄壁の防衛術を展開中。王の許可か魔族と一緒でなければ侵入不可能。
尊敬できる父親です。
私に内緒で人間の友人がいるみたい。たまにお父様の部屋から気配がありますので。
紹介してもらえないのかしら?お話してみたいわ。
母親は、エルフ族のフィーア。
奴隷商人に捕まりそうになっていた所をお忍びで視察していたお父様に助けられたそうです。
あまりにもきれいでお父様のひとめぼれですって。
お母様も助けてもらったときにひとめぼれしたわっておっしゃってました。
相思相愛で、いまだにラブラブです。
お母様は、私の良き理解者です。私の考えにも賛同していただいています。
ジオ国は、魔族の国。
見た目は人に近いが、赤い瞳のもの。(人よりも魔力が多い。)
獣人、人からかけはなれているため迫害されたもの。(人より力がある。)
ドワーフ、見た目で迫害されたもの。(人より鍛冶の能力が高い。)
あと、迫害された人族も受け入れています。
結局、人に迫害されたものの集まりね。
自分たちと違う容姿と自分たちより強い力のあるものは迫害されると。
国によっては、保護されている魔族もいますけどね。
人に近いものは、普通に人の国で生活できています。