47 王都(聖)
<聖>
海と合流してから、あっという間に何もかも進んでいった。
ひとまず助ける必要があった人も助けたし、グリーさんたちが合流できれば終了。
海が帰れるって言ってたから、グリーさんにお礼を言って国に帰るって言えばいいわね。
グリーさんにはお世話になったから寂しいけど、それ以外に何もない。
この国には殺されかけたし・・・(私が気づかないとこで)。あっさりと帰れるわ。
で、さっきの海だけど変だったな。
泣きそうな顔でプロポーズされてしまった。
おかげで冗談にもできず、真面目に答えてしまった。
私の立場じゃ弟としか言えない。
結婚か、親しい男性はいないから、海でもいいけど、姉弟じゃねぇ。
(結婚してもいいと思うほどブラコンなんですが、それがなにか?)
結婚については、母親が一緒なんで、倫理的に無理です。
海は知らないって、この国に来て確信。だって、3回プロポーズされましたもん。
なぜ、生まれてから一緒にいる時間が一番長いか理由に気づいていない。
血が繋がっていなければ、即答したんだけど。
弟とわりきっていないけど、まぁ、なんとか整理できているって感じ。
弟じゃなくても、年とか容姿とかつりあいとかでぐるぐる悩みそうだけど。
まぁ、しょうがないと。
さてと、この国もあと少しだけなんだから見学しなくちゃね。
“ブラン、みんな、何かしたいことある?”
“その辺で人間観察でいいんじゃないか。約束まであまりないし。″
“そうね、そうしましょう。このまま歩いて座れるとこ探そうね。”
歩いていくと公園のような場所にたどり着きました。
ベンチがありましたので、そこへ腰掛けました。
屋台のようなものが段々増えています。
あとで昼食として買っていくのがいいかもしれないですね。
適当に購入して皆で地下だけどピクニック風に。
“ブラン、私帰りたい。海が言うように助けてくれる?”
“我らは、聖が帰ることを望むなら手伝う約束を海としたぞ。”
“みんな、ありがとう。”
“聖、そろそろ海を起こした方がいいのではないか?”
“そうね、宿へ戻りましょう。”
部屋の中では、海がまで眠っていました。
「海、そろそろ起きる時間よ。」すぐに海は目を覚ましました。
「ありがとう。どこで昼を食べたい?」
「広場の屋台がいいなぁ。地下への差し入れもそこでどうかしら?」
「そうするか。じゃあ、行こうか。すぐに出れるよ。」
「案内するわね。」
広場の屋台で気になったのを注文してベンチで食べました。
ある程度お腹が満足したら、二人で手分けして5人分の食べ物を購入しました。
その後、町外れから地下室へ転移しました。
地下室には、グリューネさんとリーコスさんも合流していました。
無事な顔を見てほっとしました。
「食べ物を買ってきましたので食べてください。」
「聖ありがとう。なんの手も打てないときに来てくれて助かった。」
「いいえ、当たり前ですよ。弟子なんですから。
グリーさんもリーコスさんもご無事でなによりです。」
「グリューネさん、改めまして聖の従弟の海です。
聖が世話になりありがとうございました。
聖と会えましたので明日にでも国へ連れて帰る予定です。」
海が挨拶しました。自分で言う予定だった帰る話もしてくれました。
でも、明日って?まぁ、早い方が嬉しいけどね。
「聖帰るのかい。」
「はい、海が連れて帰ってくれますので。
長らくお世話になりありがとうございました。」
「そうか、寂しくなるねぇ。」
「私もです。グリーさんには本当に感謝しています。
大変な時に手助けもできずにすみません。」
「今回ので十分さ。気をつけてお帰り。」
「はい。ありがとうございます。グリーさんもお気をつけて。」
「では、失礼します。」海の挨拶で、町外れへ転移しました。
べたな展開になってしまいました。
でも、目標はハッピーエンドです。