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43 王都(海)

<海>


 部屋から飛び出したのはいいけど…。


 なんか、やってられない。むしゃくしゃする。

当たり前だよな。プロポーズあっさり冗談にされた。


 強制で手を繋いだ、意識してもらえるかなと期待しながら。

姉弟か、ずっと聖にとって俺は家族だったんだろうか。

 好意を持ってもらっているのもわかっていた。

ただ、異性としてではなく、弟としてか。

 赤ん坊のときからずっと一緒にいるからあたりまえ?

彼氏がいないのは、俺が邪魔しているだけじゃないと思っていた。

多少は俺がいたからだと、自惚れていたんだよな。


 そろそろはっきりさせないと前へ進めないと考えていた。

今回のハプニングをターニングポイントとするのもいいかなとも。

(ハプニングってレベルではないが。)

 この国でのゴタゴタが終ったら・・・。

結果はわかっているがはっきりさせる。

 元の世界に帰るかどうかも聖しだいだな。聖は、帰すつもりだけど。

 この世界で魔法と魔術を使っているうちに帰れる方法があることに気がついた。

精霊たちの協力があれば帰れる自信がある。


 さてとゴタゴタを終らせるために動くか。

まぁ、だいたいはギルドの人が言っていたままだろう。

 なんだか何もかもが面倒になってきた。城に乗り込んで終らせたい。

聖が反対しそうだから我慢するが。


 部屋に戻って聖と話をしないと進まないな。

あ~あ、戻りにくいな。


 よし、戻るか。


 「聖、夕飯食べに行こう。で、まわりの話をよく聞いていてくれ。情報が欲しい。」


 「OK。」


 聖と食堂へ。

食事のおいしい店っていうだけ少々早い時間にも関わらず人が入っている。

入っていなければ違う店に行ったけど。


 朝食・夕食付きだからおまかせの定食が出てきた。

 「「いただきます。」」

 「おいしい。」聖の好みで良かった。 


 「お店で食べるの初めてよ。」

 「いままで食事はどうしていたんだ?」


 「神殿で食べさせてもらったのと、グリーさん家よ。いろいろ教えてもらったわよ。」

俺にしか聞こえない声で返事してきました。まぁ、当然か。


 「そっか、グリューネさんには世話になったな。」

と、差しさわりの無い話をしながらまわりの話を聞いていました。


 勇者と森の魔女のキーワードに関する会話は、無かった。

時間が、早いせいもあると思う。

 お酒の入る時間にもう一度だな。


 「聖、そろそろ部屋に戻ろうか。」

 「は~い。」


 部屋で改めて作戦会議?

 「お酒の出る時間の21時頃に再度行く。聖はどうする?

絡まれるかもしれないけど。」


 「海も一緒なんでしょ。なら大丈夫よ。」

 この言葉家族としてだろう。異性としてなら嬉しいな。


 「21時までどうする?グリューネさんとこへ顔出しに行くか?」

俺、めちゃくちゃ軽く言ってるな。この世界ではありえないだろうけど。


 「行く。でも、どうやって?」


 「それが問題。こちらから見るだけなら見えない魔法でこっそりとですむ。

相手から見えないから誰かわからない。魔術だと上位の魔術師とバレる。」


 「聖は、精霊たちをどうやってごまかしていたんだ?見えること言ってないだろう?」

 「よくわからないけどお願いしたらって言ってる。」


 「なんだ、それ。グリューネさんに怪しまれているな。勇者かもと思われてるぞ。

今回の勇者が偽者だと知ったから、捕まっている可能性があるな。」


 「聖が、勇者とバレているなら俺が魔法使っても聖がやったことにしよっと。」

 「海も精霊にお願いできるってことでいいんじゃない?」


 「精霊に好かれている夫婦ってことで。」

 「はいはい。」流された・・・。わかって言ってるけど。


 「じゃあ、いつ助けるかはグリューネさんと相談してってことで。」

 「OK。」


 「直接、グリューネさんの牢の中へ魔法で転移するから。

聖は、まず俺の渡したペンダントの魔法で姿を見えなくしろ。

ブランたちはどうする?」聖は、ペンダントの魔法を発動。


 「ついて行く。」心強いな。何かあっても聖を助けてもらえる。


 「じゃあ、俺と聖以外には、見えなくなってくれ。

聖、俺との会話は日本語で。ちょっと今話してみて。」

テレパシーでたまたまでダメ押し、留めなんて勘弁と。へたれな俺。


 「海、これ日本語になってる?」


 「ああ、意識さえすれば使い分けれる。故郷の言葉ということで。」

誰も知らないからなんとでもなるさ。


 「さぁ、行こうか。」俺も見えなくなる魔法と転移の魔法を発動させた。

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