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明るくなってきたので目が覚めました。日本で言うと9時過ぎくらいでしょうか?
隣のベットを見ると海はまだ寝ています。数年ぶり?に寝顔を見ました。
やっぱり王子様って感じね。本人は嫌がるけど。
見た目がいいから目の保養よ。なんで私に構うのか不思議だけど。姉?
鳥の刷り込みと一緒かしら?物心つく前から一緒にいた時間が一番長いから?
「聖、おはよう。俺に見とれていたのかな?」えっ、いつの間に起きた?
「おはよう。そうよ。目の保養よ。」
ここで恥ずかしがってごまかすと勘違いされるからね。
「ふ~ん。」
ふふん、勝った!
「朝食兼昼食の用意をするから、もうしばらく寝てていいわよ。できたら起こすわね。」
「ああ、ありがとう。」
食事の用意をして海と食事を終えた。
「さて、今日の予定だけど。薬草収集を1時間だけして、準備できしだい王都へ転移な。
王都でギルドへ行って薬草の換金と宿の紹介をしてもらう。
ついでにギルドと宿でグリューネさんと勇者についての情報収集。
助けるだけなら直接乗りこんで終わらせるが、一般市民がどう思っているか知りたい。
聖はどうしたい?」
「海のスケジュールでOK。ただ、薬草収集ってなんのため?
お金なら私もあるわよ。1フォン8フィンよ。」
多いのか少ないのか、よくわからないけど。
「ああ、それはグリューネさんと勇者用かな?
操られていたら魔術の解除の補助とか、体が弱っていたときのためかな。
それと会話の取っ掛かりとか。」
「それなら納得。その薬草って何がいいのかわかる?」
「ああ、この森なら川の中にあるのと川沿いの湿地にあるのがいいだろう。
さぁ、川まで案内を頼むな。」
二人で薬草を採って、王都へ行く準備をしました。
「聖、ひょっとしてここに戻れないかもしれない。
荷物をすべてバックに詰めてくれ。」
えっ?そんなことになるかのか?
でも、そうかも。グリューネさん牢だった。助けるのは犯罪になるのかな?
うわっ、牢破りか。
荷物をまとめるのはいいけど、この世界に来てから着替えが増えたから入らないよ~。
「海、荷物がありすぎて入らない!」
「ああ?ボストンとか大き目のバックか?亜空間の魔法で大きさを調整しようか?」
「何それ?」
「見たらわかる。とにかくバッグ出せ。」
「バックないよ。この袋だけ。」
「ふう。ボストン創るから。俺と色違いでいいよな?何色がいい?」
「こげ茶でいい。」
何もなかったのにこげ茶のボストンバックが現れました。
「聖、このバックに手を入れて。で、そこの先にチャックがあるとイメージして。
イメージができて開ければ、奥は、そのボストンの3倍の大きさの空間がある。
イメージしないときはそのままの大きさで使える。亜空間の重さは感じないから。」
チャックの確認ができたので荷物を詰めました。
「ちょっと、何これ。海、最強?」
「残念でした。最強は勇者の聖です。」
「・・・。」
「そうそう、この世界は魔法を使えるものはいない。感知できるものが数人レベルだ。
話す内容に注意するように。」
「了解。」
「さて、全部荷物持ったね。戸締りもOKだね。じゃあ、王都へ転移するよ。」
二人とブランは外へ出ました。
「その前に。」
海が急に抱きついてきました。そのまま、額にキス。
「・・・。」抵抗はしていない。だって嫌じゃない。
姉にするには、ちょっとスキンシップが多い気はする。
海とは、慣れてるけど、他の男性だと拒否反応がある。なんでだろう。