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宿へ戻っておかみさんのソフィアさんに空き時間に料理させて欲しいと頼みました。
夕食の準備に入る前の1時間くらいならと使用許可をもらいました。
そうそう、宿の名前はソフィアさんの名前から付けたそうです。
宿へ戻る前に、プリンを作ろうと卵と砂糖と牛乳を買ってきた。
これなら簡単にできるので。アルミの容器を魔術で作ってと。
鍋を借りて蒸して完成。あとは、冷まして味見。
おや?いつの間にかおかみさんとだんなさんが後ろにいました。
「海、それは何?」おかみさんはプリンが気になったみたいですね。
「俺のいた所ではプリンというデザートです。冷めたら食べてみますか。」
「ええ、是非お願い。」
「海、俺もな。」
「了解。」
時間が無くなるから魔術で冷まそう。
「どうぞ。食べてみてください。」
「「じゃあ」」
「へぇ、初めての味だ。食後にいいかもな。」
「おいしい。この作り方教えて。」
「海、この後時間あるか?」
「ええ、ありますけど?」
「今日の夕食のデザートにこれ作ってくれないか。」
「かまいませんよ。」
「数はどのくらいにしますか。」
「そうだな、20個くらい頼めるか。」
「わかりました。今から作ります。ソフィアさん一緒に作りますか?」
「ええ、お願い。材料は何?」
「卵と砂糖と牛乳とこのような入れ物をお願いします。」
ソフィアさんが、材料を買ってきて、だんなさんも一緒に作りました。
もの珍しさのせいかあっというまに完売した。
次は、小麦粉をプラスしてホットケーキとメレンゲかな。
朝にいいな。明日の朝食後に相談してみよう。
あと寒天っぽいものを見つけて果物のゼリーもいいよなぁ。
?冒険者のはずが、この店のパティシエに納まりました。
給料は、1日で1フィン。昼間は自由時間なんで城の探検と。
もちろん無断での探検。
あっという間に14日が過ぎた。
この国に問題はなさそうなので明日には移動しようかな。
宿泊費は、ちょうど明日までの二週間分を支払ってあることだし。
今から挨拶回りだけしてくるとするか。
そうそう結局王とは何も話していない。いつか会うことがあれば教えようかな。
今夜こそ、聖に連絡をいれないと忘れられそうだなぁ。
顔みたいなぁ。最強の保護者がついているから問題はないだろうけど。
<深夜>
さて、そろそろ電話するとしようか。
クレアルに聖のところの結界を頼んで電話した。
久しぶりに会う聖に愛おしさが溢れ出て抱きしめた。
俺は聖人君主じゃない。わかってないだろうなぁ、ギリギリだってこと、はぁ。
お風呂に逃げたことも。じゃなきゃ、押し倒してたかも。
さてと、聖も寝たことだし、精霊の皆とブランと挨拶でもしますか。
“ブランもだけど、皆も初めまして、海と言います。これからも聖の事お願いします。
俺は、とにかく聖が一番大切だから。もちろんこの世界よりもね。”
“わかっている。私たちも聖を気に入っている。”とブラン。
“僕は風の精霊でヴェントと言います。クレアルを助けてくれてありがとう。”
“ぼくは水でアクア。”
“私が光でリュミです。”
“僕は闇、オプス。”
“わたくしは火の精霊でフラムです。”
“僕は大地でティエラです。”
“一応、神さん的には好きにして良いみたいで、魔法を使えるようにしてもらえた。
基本行動は、聖の望むことになる。今回は、グリューネさんを助けることになるかな。
この国の王は最低だから長居したくないと思ってる。
ただ、隣の国に迷惑かけそうなら手を打たないとと思ってるかな。”
“我らは、人間に干渉していない。が、聖への危険は許す気はない。
だから、今回は海の指示にしたがってグリューネを助ける手助けをするとしよう。”
“ありがとう。助かります。ところで状況を教えてもらえますか?”
“ヴェント。”
“はい、グリューネさんたちは、魔法が掛けられた牢に捕らわれています。
魔法を使える海ならば問題はないと思います。ただ、様子のおかしい勇者がいます。”
“ありがとう。勇者については現地で相談させて欲しいです。
今は、少し休ませてもらいます。おやすみ。”
“おやすみ。”ブランが代表で挨拶してくれた。
勇者は、いないはずだ。俺はクレアルを助けることで召喚の魔方陣を壊してきたからな。
なら偽物ということか。くそっ、調べないと聖が動きたがるな。
勇者については、グリューネさんを助けてから考えよう。何か知っているかもしれないし。
少し横になって体を休めるか。