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薬草を取ってギルドへ戻りました。
まず、依頼の4枚の商品を提出しました。依頼料4フィンと。
で、そのまま薬草の換金へ。1フォンか。やばっ、外野が多かった。
「兄ちゃんすごいなぁ。」と外野のおっさんに声掛けられました。
「まぁ、薬草には詳しいもんで。」本当はすべてのことにだけどね。
さっさと戻って夕食にしたいので適当にあしらって宿に戻りました。
部屋へ戻ってローブを脱いで、楽な服装に着替えてバッグにお金を入れました。
残金2フォン1フィン。宿泊とすべての食費を支払い済みだからお金が減らないな。
このまま20フォンは貯めて、聖と動く時の資金にしないとな。
やっぱり男は甲斐性さっ。
ただ、この世界で俺と聖はお金がなくても生きていける。
森に行けば食糧には困らないっていいよなぁ。
夕食を1階で食べて、昨日と同じように裏でシャワーを浴びて就寝しました。
魔物退治に薬草収集に明け暮れている間に1ヶ月が経過した。
手持ちの金も40フォンと予定の二倍にもなり、目標は達成と。
毎日、ギルドに食堂と人が集まるところにいる訳だから城へ忍び込まなくても
この国の状況がわかってきた。
まず、この国は平和で王の政治に不満を持つ民は少ない。
多少は、意見が合わないっていうこともあるからしかたがないよな。
民の代表者と月に1回会議を行って状況確認もしているらしい。
これについては、忍び込んで確認をしようと思っている。
ちょうど今日の午後でこれからだそうだ。
民の代表が、食堂で話していたから確かだろう。
魔法で自分を見えなくして、代表について城へ入りました。
広間に城の要職についている人物達に代表数名が席についています。
その周囲に騎士が数名、王があとから席につきました。
会議の内容は、特産物のでき及び前回の議題だった橋の老朽化の対応確認だった。
ふ~ん、他の国に売る新しい特産物の検討か、おもしろいな。
この国は、商業の国でもあるからなんでも揃えることができる。
加工して出荷もいいよなぁ。俺は、デザートが好きなんだけど果物しかみていない。
デザートを作って売るのもいいなぁ。何を作ろうか。
あれ?終わった?まぁ何も問題ないからいいか。
ちょっと王について行くか。どんな人物か知りたいし。
そのまま広間を出ると執務室へ入って行った。
俺は、魔法で壁を通り抜けて中へ。王は、机の上の書類とにらめっこしていた。
休憩もなしで、真面目だな。どんな書類なんだろう。
王の横へ移動して書類を覗き見。嘆願書?盗賊退治か。どうするのかな?
要検討とサインを記入し、仕分けして置きました。
「見ていて楽しいのか?」この部屋には誰もいません。独り言かな。
「私は、この国一番の魔術師でもある。魔法を感知できるのだがな。」
へぇ、王が一番の魔術師ってどうなんだ?警備が楽でいいのか?
で、俺のことがわかる訳ではないな。精霊だと思っているんだろうが。
“クレアル、この王は俺のことがわかっている訳じゃないよな?”
“そうですね。気配だけでしょう。どうしますか?”
“このままでいいさ。もうしばらくしたら帰るし。”
「なんだ、相手はしてもらえないのか。
というか返事してもらっても聞けないような気もするが。
会話できるといいんだがな。」
・・・。
「精霊が見えるものも、話ができるものもいない。
魔法を使っていない状態だと気配もわからない。
今、魔法を使っているのはどんな理由なんだろう。悪くない理由だとありがたいが。」
偵察だから良くも悪くもないかな。もうしばらく様子を見せてもらおう。
その結果どうするかもまだ未定だ。
王の書類の決裁は終了した。俺もそろそろ帰ろう。