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グリーさんとリーコスさんの話って聞いていて良かったのかしら?
なんとなく反政府派の話って感じですもん。
殺されかけた私もどちらかというと同志だとは思うけどね。
建前は弟子だしいいっか。
リーコスさんについては、グリーさんの知人って感じの認識で問題ないでしょう。
悪い人って感じもしないし。
話の中で気にかかったことがある。勇者のお披露目って?
海じゃないし、誰なんだろう。他に誰か召喚されたのかな?
「さて、聖、遅くなったけど武器を見に行こう。」
「はい。」
リーコスさんに会う前の予定に戻りました。
「ここ。看板は出してないけど、良いものが揃っている店。
1フォンは、聖のお金だから好きに買って良いよ。足らなければ出すから。」
お金を受け取り、
「ありがとうございます。」
そのお店は、広い通りを一本中にはいった場所にありました。
日本では、縁の無かった武器、私に何か使えそうなものはあるんだろうか?
防具もあるみたいなのでこちらの方を優先さようかな。
防具は、魔術を使いやすいものがいいな。体力的に鎧関係は問題外。
ローブで保護があるものがベスト?無ければ自分で付ければいいし。
お店にローブのコーナーがありました。カラフルなんですね~。
てっきり黒一色というイメージを持っていました。
色で保護が違うのかな?まぁ、好きな色か苦手な魔術を選べばいいのかな?
保護については、皆に相談すればOKと。
ん、好きな色のオリーブにしよう。サイズは、調整すればいいですね。
さて、問題の武器・・・。
弓、槍、ハンマーは、使えない。私が使えそうな剣を探すしかないですね。
あらっ、細身で私の腕の長さくらいの剣で光っているのがあります。
ちょっと持ってみましょう。えっ?軽い。重さを感じさせないってなぜ?
“ブラン。これ変よ。”
“へぇ、魔法がかかっているな。聖以外の者が持ったら重くて使えないかな。
精霊の守護だから特定された者用だ。聖に丁度いいぞ”
“じゃあ、これにする。誰か使い方教えてくれないかなぁ。”
「グリーさんこのローブと剣にします。お金払ってきます。」
「すみません。これください。おいくらですか?」
「ローブが1フィンで、剣は1ファンだな。鞘はおまけしとく。」
「剣が1ファンですか?」
「ああ、その剣は重くて、魔術もかからず買い手が無くて困っていたんだ。
買ってもらえると助かる。」と重そうに剣を持ち上げました。
お金を支払い、おつりと商品を受取り、グリーさんの元へ戻りました。
「なかなか良い買い物をしたみたいだね。」
さすがグリーさん、やっぱり魔法を感知しているみたいですね。
「はい。」
にこにこしながら返事をしました。
「グリーさん、剣を教えてくれる人知りませんか?
買ったのはいいけど使えないんです。」
「リーコスが帰ったら教えてもらえばいいさ。
戻ったら家に寄るように連絡しておこう。」
「はい。ありがとうございます。」
頑張って使えるようにならなきゃ。
グリーさんに迷惑かけ通しだから、早く独り立ちしなくてはね。
「聖、これからどうしたい?帰るかい?」
「食べ歩きしたいです。」そろそろお腹すいてきました。
ギルドへ行くときに屋台が並んでいるのを見かけました。
そして、良い匂いがただよっていました。
「じゃあ、行こうか。」
二人と一匹で屋台のはしごをして、食べ歩きしました。
お腹が満足したら、町のはずれに行き転移で森の家へ戻りました。
お肉の串焼きも肉まんの親戚もデザートもおいしかった~。
また、行きたいなぁ。
数日後、リーコスさんが森の家を訪ねてきました。
グリーさんから訪問の日を聞いていました。
それで、薬草を取りに行かずに二人で待っていました。