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過去に戻ります。
「聖、今回の仮装はどうするの?やっぱりサンタクローズで行くの?」
パソコンの数字とにらめっこ状態の私に声をかけてきた同僚の未来。
「まぁ、その予定かな」
会社の有志でクリスマスパーティ!それも仮装。
どうせ最年長(同僚の未来は、数か月年下)なんだからもっと年とってみるってことで。
ついでに性別を変えて。同性だと魔女になってそのまんまだと言われそうだから。
ふん、どーせお局さまですよ~だ。ちょっと厳しいだけじゃない。
どうせなら徹底的にやろうかなと思って老人変装グッズを取り寄せてみました。
体をまげて固定する機器、顔、手、足のマスク、洋服、老眼設定カラーコンタクト。
で、髪はもちろん白、肌は本来よりも白く、青のコンタクトにしたので私服のサンタって感じ。
私、黒宮聖はクリスマスで28歳。黒髪に黒い瞳と生粋の日本人。
身長158cm、体重47kgほんとうに普通でサイズM。
スリーサイズは秘密!
ちょっと胸がきついからダイエットしたりしなかったり。
本気になればすぐやせれるさって軽くね。
顔も特徴なく普通。化粧映えするから力入れればちょっときれいと言われるかな。
でも、ほとんどノーメイク。アイメイクとリップだけ。だって化粧落とすの面倒です。
仕事は、某商事で経理。勤続8年、うん続いてます。
一人暮らし。自己紹介はこんなんでいいかな?
さて、クリスマスパーティ当日。
仕事が終わって仮装の衣装を持って会場へ移動。
結構荷物かさばります。
更衣室変わりの部屋をキープしてくれてるから楽~。
他の皆は、私を置いてさっさと会場へ行っちゃいました。
貴重品は体をまげて固定する機器に入れたから着替えた服を白い袋に入れて
杖をつき、さぁ行くとしましょうか。
後輩たちがメイドさんになってたから労わってもらいましょうかねと。
ドアを開けて一歩踏み出したら、えっ落とし穴?
そんな馬鹿な!なんで落ちてるの?欠陥住宅?地震あった?揺れてなかったよね。
一瞬で足の下に地面の感触が。何があったかわからず。
で、「お待ちしておりました勇者殿」のシーンとなりました。




