28 聖サイド
<森の魔女の家>
“聖、そろそろ起きた方がいいぞ。森の魔女は起きているぞ。”
ブランが、目覚まし時計?をしています。
「ふぁ~い。おはよう。」
大きく伸びをすると、ネックレスが揺れました。
昨日の海との電話は、夢じゃなかったんだと改めて実感しました。
ちゃっちゃと起きて顔を洗って行動を開始しましょう。
ボールを持って外の井戸へ行きました。今日も良い天気です。
今日も頑張るぞ~。
さて、何をすればいいのかしら?朝食の用意かしら?
グリーさんは、どこかしら?
“ブラン、グリーさんの居場所わかる?”
“ああ、この小道の先か。もうすぐ戻ってくるぞ”
“じゃあ、ここで体操してればいいわね”
ラジオ体操の第一初めっ、なんちゃって。
冗談抜きで準備体操替わりにやりましょう。
深呼吸からだったわね。よしと体操を始めました。
「あらっ、聖何してるの?」
「グリーさん、おはようございます。私の島の体操です。」
ナイスタイミングです。ほぼ終わりかけの時にグリーさんが戻ってきました。
「体操?」
「結構お薦めですよ。ご一緒にいかがですか?」
「あら、おもしろそうね。教えてもらえるかしら。」
「はい、じゃあ、私の真似をしてくださいね。」
腕を伸ばして深呼吸からと説明つきで第一を一通りやりました。
「グリーさんどうでしたか?大丈夫ですか?」
「なんだか、良い感じね。毎朝やろうかしら。」
「その時は、誘ってくださいね。私もやりますから。
ところで、私は何をしましょうか?」
「朝食の用意を手伝ってもらおうかしら。そのあとは片づけをお願いね。
で、終わったらお風呂よろしく。」
「はい、お風呂作り頑張りますね。」
お風呂作るぞ~!
食事、後片付けが終了して井戸の近くに腕を組んで仁王立ち。
どこにどんな風に作ろうかしら。
1.お風呂は夜だから家の近く。
2.結界はあるけど建物の中がいいな。
3.建物、浴槽の素材をどうするか。
二階建てで二階への入り口はなし。直接二階への転移のみで。
家の裏に立てて表からは見えないようにする。
一階は、どうしましょう。後回しでいいかな。柱のみっていうのもいいかも。
大き目の浴槽に広めの洗い場、脱衣所と転移場所で三つの部屋になるかな。
全部木造で魔力の蛇口を一時的に大きく開いて、魔術起動。
魔力の蛇口を戻してと。
できた建物を眺めて、初めての大きな魔術だし、こんなんでいいか。
二階の転移場所へ移動。初めて転移しちゃいましたねぇ。良い感じ。
おおっ、思った通りにはできてますね。
浴槽に蛇口から45℃のお湯を入れて、温度の固定魔術と。完成。
ついでに入って、お洗濯もやっちゃいましょう。
久しぶりのお風呂は最高でした。
服は洗っちゃいましたので魔術で一瞬で乾燥。乾燥機いらずは、すごいです。
グリーさん早く帰ってこないかしら。説明したいし。
そのころグリーさんは、結界の外で人と会っていました。
昨夜、勇者の召喚が行われたこと。
そして、今朝、勇者が消えていたことを聞かされました。
その情報をもってきたのは、城の人間でした。
眠くてギブアップです。