26 従姉との会話
「あ~、しまった。」
“海、急にどうしたんですか?”
クレアルが、俺の声にびっくりしたようだ。
“まずい、聖の髪と瞳をどうするか相談忘れた。”
俺が、魔方陣を壊して城から脱出したことによる弊害。
勇者でない俺にはないが、本来勇者である聖には・・・。
城の関係者は、勇者探しに血眼になるだろう。
黒髪、黒い瞳である聖にとって、危険極まりない。
“クレアル、魔法で色を変えて、固定化ってできるのか?”
聖の瞳の色を何とかしないと。
“魔術の管轄だと思います。
魔法なら、誰が見ても違う色に見えるというのでどうですか?”
“それで問題ないか?”
“クレアル、聖の瞳を俺と同じ色に見えるようにしてくれ。
それと髪は、光の加減で俺と同じような色に見えるように。
連絡を取ったら聖の所へ行って魔法を頼みたい。
できそうか?”
“大丈夫です。できます。他はいいですか?”
“聖に渡して欲しい物を用意するから、ちょっと待ってくれ。”
う~ん、最強で精霊もついているから大丈夫だとは思う。
でも、何かしておきたい&売約済みに・・・。
何か機能をつけたペンダントかリングを渡したいな。
目立つのがいいけど、この世界では問題外。目を付けられると困る。
服の下に隠れるペンダントか。
シルバーゴールドのチェーンに葉っぱのトップ。
機能・・・、どうするか。聖限定で盗られても聖の元へ戻ると。
危機の際に転移、俺が聖のそばへか、聖が俺のそばにか。
どちらが安全か?どちらも危機だったら目もあてられないか。
危機の際には、見えなくなる方がいいか。ひとまず時間稼ぎになるし。
よし、決めた。
葉っぱを握って俺の名を呼べば、姿が見えなくなると。
戻るときは、自分の名を言うと。
さくっと制作するか。とっても便利な創造の魔法起動と。
おおっ、俺がすごいのか、魔法がすごいのか。まぁ、どうでもいいけど。
“クレアル、もう一度ヴェントに結界を頼んでもらえないか?”
“はい、連絡しますのでお待ちください。”
“ヴェント、もう一度結界をお願いします。”
“了解。”とすぐに魔法が起動されました。
“海、結界準備できましたよ。”
“ありがとう。”聖の携帯にすぐ連絡するか。
短縮ボタンを押すと呼出音が聞こえてきました。
着メロは、童謡の海で変更していないのかな?
変わっていないと嬉しいな。
「海、何?」
うわっ、さっきより眠そうだなぁ。携帯じゃなくて、是非直にと言いたい・・・。
「聖、目と髪の色どうしてる?何もしていなとマズイことになりそうだけど?」
「青のカラコンしてるよ。髪はそのままだけど。」
「毎日、コンタクトは大変だろう。
今から、創造の精霊のクレアルにそっちに行ってもらうから。
目と髪に見た目を変える魔法をかけてもらえ。
終ったら電話してくれ。」
「うん、助かる。ありがとう。」
“クレアル、行って聖に魔法をかけてきてくれ。
それとこのペンダントを渡してきてほしい。”
とペンダントを持った手をクレアルの光の方へ差し出しました。
“わかりました。行ってきます。しばらくお待ちください。”
と光と共にペンダントが消えました。
しばらくするとクレアルが、戻ってきました。
その後すぐに、携帯の着メロ『聖夜』が流れてきました。
「どうだ?あっ、すまん、自分ではわからないな。
目は俺と同じ色で、髪は光の加減で俺と同じような色な。
ペンダントについては、葉っぱを握って俺の名前を呟けば、魔法を使えないもの
からは、姿がみえなくなる。
戻るときは、同じように握って自分の名前を呟くこと。
何かあったときの手助けと思って作ったけど、使えそうか?
聖限定だから他の人は使えないから。ついでに盗られても戻るようにしてある。」
「へぇ、すごいね。いつも身につけるようにするね。」
「ああ、ただ服の下とかあまりわからないようにしてくれ。興味を引いても困る。」
「了解。海こそ気をつけてね。」
「ああ、わかってる。今度こそおやすみ。」
「おやすみなさい。」
これで聖は大丈夫だな。で、俺はどうするかな。どこへ行くか。
ひとまず寝て、明日にするか。
枯葉を魔法で集めてベッドにして、結界を起動して温度調整。
はいできあがり。
“クレアル、おやすみ”
“はい、おやすみなさい”
1週間ほどお休みの予定でした。
が、皆様のおかげでお気に入り登録が150件を超えました。
お礼も兼ねまして、休みを返上して頑張ろうと思います。
途中で多少止まるかもしれませんが、極力短くしたいと思います。
どうぞ今後もよろしくお願いいたします。