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現在地は、国境近くの薄暗い森。この世界の月のおかげで近くは見える状態。
“さてと、改めて俺の名前は、黒宮海。君は?”
“創造のと呼ばれています。名前はありませんので付けてもらえませんか?”
“俺でいいのか?
たぶん他の精霊たちは、聖に名前を付けてもらっていると思うぞ。”
“いえ、私は、海様にお願いします。”
“そうか、じゃあ、クレアルでどうかな。それと海様は止めてくれ。
海でかまわない。”
“それでは、海と呼ばせてもらいます。名前ありがとうございます。
今後も海と一緒に行きますのでお願いします。”
“こちらこそ、よろしく。ところで、クレアルの能力って何?
俺は、神さんから魔法が使えるようにしてもらえたけど使えるのか?”
“私は、創造を司っています。創造したものを使えるようにする力です。
海は、魔法を使えるようにしてもらっているならこれもできると思います。”
“そうか、じゃあ早速、このボストンバックの中を亜空間にして、仕切ろう。
整理整頓しやすくなるし。こういうのもいいのか?”
“大丈夫だと思います。やってみてください。詳細な創造をお願いします。”
よし、魔法始動。どれどれ、へぇ、できてるじゃん。
これでいろいろ入れても問題なしってことだな。
女装、着替えたいからこの世界の服装を出さないといけなかったんだよね。
この魔法助かるな。
一般的な冒険者スタイルでいいか、創造で一式作り出すと。剣も忘れずに。
簡単にできるもんだな。じゃあ、着替えるとするか。
カツラ、ワンピース、靴、コンタクト。一応ボストンバックにかたづけて、
これを着て、すっきりした~。
次は、聖だな。
携帯に創造で機能を追加するか。
まず、この世界でも単純に携帯が使えるようにする。聖限定と。
次に充電を不要とする。
0発信は、聖の周辺を見ることができる機能とする。
他の人からは、石に見えるようにする。
聖の携帯も対象とすると。
はい、魔法始動と。
聖は、どうしてるかな?
0発信スタート、森?透明の壁か、結界あるのか、すげぇ。
ふ~ん、森の魔女か。この国の森で結界と言えばこの人のことになる。
王の命令も無視できるっていうのが気にいった。
聖を頼むって言った方がいいのかな?
魔術の結界は、無効化するようにしようか。魔法の結界は、有効でと。
精霊が、結界をはるってことは、聖のためってことだから無効化はまずい。
追加の魔法始動。
家が見えてきた。二階の部屋か。窓から覗くって感じで映っている。
やっぱり、聖は寝ているか。いろいろな色の光がふわふわしているな。
精霊たちがいるんだな。問題はないけど声聞きたい。
“クレアル、他の精霊と連絡取れるか?一緒にいる聖と連絡が取りたい。”
“はい、連絡でも、こちらに来てもらっても大丈夫ですよ。
海が行くこともできるのでは?”
“俺が行けるのは、わかっているが、まだ森の魔女に知られたくないな、
風の精霊を呼んでくれないだろうか。”
“わかりました。すぐ連絡します。”
“風の、すみませんが、私のところまで来てくれませんか?
主殿が、そちらの主と話がしたいそうです。”
“創造の、ですか?無事で良かったです。すぐに行きます。”
グリーンの光の玉が出現しました。
“初めまして、勇者殿、風の精霊のヴェントです。”
“初めまして、聖の従弟の海です。
この髪と瞳を見てもらえばわかると思いますが、勇者は聖だと思いますよ。
うまく逃げれたようですが。”
“そうですね。ところで何故、僕を呼ばれたのですか?”
“聖と連絡を取りたいのですが、まだ、森の魔女に知られたくないのです。
戻って結界をお願いできませんか?
音が外にもれないようにお願いしたいのですが。”
“いいですよ。創造のの恩人でもありますし。戻ってすぐ結界をはります。
海に関してだけ無効化しておきます。”
“よろしくお願いします。”
一瞬んで光が消えました。数分待ってから携帯電話をかけましょう。
“クレアル、ありがとう。”
“いえ、お役に立てて良かったです。”
携帯で聖を出し、呼び出しスタート。