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扉付近の侍女と騎士の二人は、相変わらず移動する気配なしと。
侍女については、魔力が多少ある、スパイも兼ねているのか。
騎士は、魔力はあまりないが、動きに無駄がない。隊長クラスとみえる。
力入っているというか、勇者相手じゃ当然ともいえるわな。
ふぁあ、眠っ。寝ちゃえ、深夜に起きなきゃいけないし。
その前に夕食に起こしてくれるだろう。
ベットへダイブ、立っている二人は気にしてもしかたがないし。
ボストンバッグは、鍵をかけて罠を仕掛けておこう。
魔術は、認識できる宮廷魔術師がいるだろうからダメで魔法か。
触ったら火傷するようにしておこうかな。
じゃ、おやすみなさい。
「勇者殿、勇者殿、お夕食です。起きて下さい。」
へっ、勇者って誰?母さん変な起こし方するなよ?
母さん、声だけ若返った?
ん?俺だ。家じゃないじゃん。やばっ、何も言ってないよな。
「はい?わかりました。どうすればいいですか?」
「今日は、こちらに用意させていただきます。こちらでお食べ下さい。」
侍女さんが、てきぱきと準備して、俺は席で待つことに。
待つこと数分。
「お待たせいたしました。どうぞ召し上がりください。」
「いただきます。」と挨拶して完食。
こちらの食べ物も元の世界と基本は、変わらないから気にせずに食べれた。
肉について、この国では、ほとんどが飼育ではなくて魔物だけどね。
まぁ、おいしくいただけました。知識があると不安がなくなるねぇ。
「ごちそうさまでした。」
再度、おやすみなさい。ベッドへ移動。じゃ。
<深夜遅く、一般的に人が寝静まったある時間>
「ふぁあ。」よく寝た。周りをみても誰もいないもよう。
気配を探ると扉の外に二人立っていて他はいないようだ。
もうここへは戻ってこない。城に用はない。神殿にはある。
ここは、魔術を使うか、魔法で形跡無しで消えたほうがいいか、どうするか。
魔法でいいか。魔方陣消しに行くんだし、知られる必要もないな。
ボストンバック持って、祭壇の前へ魔法で転移。
さて、まずは問題の石、最初に見て驚いた。
聖も気づかなかったのか。気づけば何とかしただろう。
とんでもないものを使っている石。
そら、見えるやつなら誰もがそう思うだろう。
鎖に巻かれた精霊が中にいるんだぜ。
ご丁寧に何重もの結界つき。
この国の繁栄のための犠牲か。精霊を犠牲にするのは違うだろう。
ちゃっちゃと解除しよう。解除命令一言で終わっちまった。
これくらいは、魔王でも簡単にできそうだけどな。
同時に魔方陣も消えた。やっぱり精霊がらみか。
“主様、助けていただきありがとうございます。”
ふわふわ精霊が近づいてきた。
姿は確認できないが、光の玉状態で確認可能と。色は、紫。
“どういたしまして。ここから出て行くところだが、一緒に行くか?”
“はい、お願いします。”
“悪いが、この国の端の森まで転移させてくれないか?魔術だと追跡される
可能性があるから。”
”わかりました。では、このまま転移します。”
よし、ひとまず神殿からも脱出成功。
移動させてもらったから楽~。
魔法を使っても苦労していないけど。神様ありがとうと。