16
扉を開けると埃がもわっと・・・、しばらく開けてもいなかった部屋のようです。
「じゃあ、お願いね。そうそう、何か質問あるかしら?」
「グリーさん、水はどこでしょうか?」やっぱり拭き掃除もしたいです。
「外に井戸があるからそれを使ってね」
「はい、わかりました。使わせていただきます」
「お昼になったら呼びに来るから頑張って~」
とグリーさんは下へ降りていきました。
さてと頑張りましょうか。
部屋については、机と椅子にベットとタンス?っぽいものがあり、すべてに
シーツがかけてあります。
窓があって日が射し込んで明るい部屋ですね。窓を開けて、さぁお掃除と。
お掃除の基本の上からを実施してます。ほこりがすごいんですけど~。
ちょっとギブ!
“ヴェントいる?”
“何ですか?”
“ごめん、掃除手伝って。で、このほこり、全部外へ出して欲しいけどできる?”
“できますよ~。じゃあ、こんな感じでどうですか?”
“おおっ、さすが。ありがとう”ほこりがあっというまに窓から出て行きました。
次は、ものに被せてあったシーツをお洗濯しましょう。外に持って出ましょう。
大きいのが三枚ですか。ちょっと辛いかな?洗剤があるといいのですが。
シーツを持って外へ出て裏へ回ったらありましたよ。
井戸、タライ?、洗剤。それに天然の木を利用して吊るしてある物干しざお。
では、タライに水とシーツ&洗剤を入れてお洗濯と。家だったら洗濯機なんですが、
ここではありませんのでちょっと足を洗ってタライの中で足ふみです。
手でやってもきりがありませんので、どこかで見たやり方です。寒くないから快適に
できますね。すすぎも終えてやれやれです。さて、どうやって絞りましょう。
アクアにお手伝いしてもらいましょうか。いいのかなぁと自分に相談。
まぁ、魔術を覚えるまで、しょうがないかってことで。
“アクアお手伝いお願いできるかな?”
“ひじり、なにすればいいの?”
“このシーツの水をちょっと飛ばして欲しいんだけど、できる?”
“できるよ。ちょっとまって。どう”
“みんなすご~い。簡単な説明しかしてなくてもできちゃうんだ。
アクア、ありがとうね”
“ヴェント、干すの手伝って”
“はい、一緒にそこにかければいいんですか?”
“そうなの、端を持つから風で一緒にかけてね。お願い”
“せ~の”あらら、ほとんど何もしていないのに飛んでった。
まぁ、いいっか。
“ヴェント、後2枚もお願い。せ~の”以下同文と言いたくなるのもわかって
もらえると思います。
これで大仕事の一部が終わったけれども達成感がない。なんだかずるした気分。
さて、ちょっと確認したいことあったのよねぇ。
“ブラン、いる?”
“聖、どうした?”あらら、いつのまにか足元にナイトの姿でいました。
“私ってこの世界の言葉話せるけど、文字読めるの?グリーさんには、読めない
と話してしまったけど”
“ああ、読めるし、理解できるようになってるぞ”
うわぁ、私ってチートだったんですね。じゃ、魔力も強く、妖精さんも付いてて
無敵ってこと?まぁ、魔術使えたらだけど。これが問題かな。
「聖、ご飯よ~」
「は~い、今行きます」
食事だ。この世界の食事がやっとわかる。
神殿では、スープとパンだけだった。確かに殺す相手に贅沢な食事はないよね。
テーブルには、おいしそうなパン、サラダ、シチューっぽいものが。
嬉しい、いままでと似たような食事です。
「じゃ、食べましょうか」
「はい、いただきます」と手を合わせてからいただきました。
満足です。基本的に同じです。あっという間に食べ終わりました。
手を合わせて「ごちそうさまでした」と。
見慣れない挨拶にあぜんとしていたグリーも食べ終わり、話かけられました。
「さて、聖、聞きたいことがあるんだけど」
「なんでしょうか?」
「聖が掃除をはじめてから数回、魔法の気配がしていたけど何をしたのかしら?」