15 森の魔女
「おや、どなたですか?ナイトの知り合い?」
扉を開けたのは、40代くらいの女性でした。ブランは老婆っていってたけど?
若草色のワンピース?で茶色の長い髪を紐でくくっていてブルーの瞳の女性です。
ブランってここでは、ナイトと呼ばれているんですね。
「初めまして、聖・黒宮と言います。
島国から出てきましたが、何もわからず、お金もなく、困っていたらこの子に
助けられてこちらに辿り着きました。こちらで働かせていただけませんか?」
「働くといっても何もないところだから、う~ん。ナイトが連れてきたんだし、
一人暮らしだから一緒に生活してもいいかな。生活しながら考えましょう」
「すみません、一般的なこともわかりません。迷惑をかけることになります。
どうかよろしくお願いします」
「そうね、とにかく中へどうぞ」
中に促されてブランと移動しました。室内は、テーブルに暖炉があります。
椅子にかけるように言われ、席に着きました。
「どうぞ、ハーブティよ。お口に合えばいいけど。
私は、グリューネ・ライゼンダーよ。グリーとでも呼んでね」
私の前のカップからペパーミントの香りがします。ペパーミントティみたいです。
なんだかほっとします。早速、いただきましょう。
「おいしい」
あれ?日本で飲んだことのあるペパーミントティよりおいしいです。違う甘味が、
入っています。なんだろう?
「口に合ったみたいね。良かったわ。次のお茶の時に入れ方教えるわね。
さて、聖さん、あなたは何ができるのかしら?得意なことは何?」
「聖と呼んでください。掃除、洗濯、料理は、たぶん教えてもらえれば普通に
できると思います。得意は、計算と計算に関する資料つくりです。
ただし、こちらの字と同じかわかりません。
あと、魔術は使えません。習ったことがありませんので」
「じゃあ、聖と呼ばせてもらうわね。魔術を周りの人誰も使えなかったの?
魔力はあるのにねぇ。計算が得意っていうのはすごいわ。
薬を作って売っているからそこを手伝ってもらいましょう。
ここでは、魔法が使えないと料理ができないから文字と一緒に教えるわね。
まずは、飲み終わったら部屋へ案内するわね。掃除をしてないから掃除してね。
今日は、それが終わったらこの家のまわりを散歩してみたらどう?」
「はい、グリーさん。すみませんが、掃除道具の場所を教えてもらえますか」
すぐに動けるようにハーブティを飲みきりました。
「掃除道具は、確か、いまから案内する部屋にあったと思うわ。
じゃあ、行きましょうか」
とグリーさんが立ち上がりましたので私も立ち上がりました。
玄関から一番奥にある角を曲がると階段があり、二階に上がりました。