12
”聖、起きろ!いいかげん起きんか!しばくぞ!
どうか、私の思うままに行動できますようにってなんだ!”
はい?私の昨日の願い事って誰かに言ったっけ?
夢だ。おやすみなさい。
”夢じゃない、おやすみなさいでもない。ばかもん。いい加減にせんか!起きろ!
違う世界に来たんだから危機感もたんか!”
ほぇ?なんで知ってるんですか?
”この世界で神の次にえらいんだから知ってて当然だ!
そんなことより殺気に気づけ!殺されかけてたんだぞ”
なんの冗談?この世界で知り合いいないし、まともに話した人もいないから…。
ありえないでしょう。
”ったく、目を開けて見てみろ。わかるから”
しぶしぶ目を開けて周りを見ると、ベットのすぐそばで倒れている巫女さん。
と、真っ白な狼。うわっ、かっこいい。
セントバーナードなみの大きさで尾がふさふさ、もふもふしたい。切ってちょうだい。
ん、狼さんの顔色が変になった?
”ひ・じ・り”
あらら、黒いオーラも出てきましたね。
[どちらさまですか?]
”巫女じゃなくてこっちかよ、私はこの世界の神使だ。
神の眷族で神意を代行している。結構自由な立場だ。
妖精たちが騒いでいたから様子を見にきたらこれだ。全くおまえは!”
[へっ?妖精たち]
周りを見渡すとヴェント、アクア、リュミ、オプスとみんながスミにいました。
[あれっ?皆どうしたの]
”聖、だ・か・ら、おまえの危険を感じて皆が起こそうとしたけど起きず、
助けを呼んだから私が来たんだろ”
[ええっ、みんなありがとう]
””””無事で良かった””””
”おまえたちまで聖のペースになるな。さっさとここから出るぞ。
他の刺客が来たらどうするんだ。聖、動きやすいかっこうにしろ”
[了解、巫女さんはどうするの]
”記憶操作して部屋へ戻す。聖を殺して川へ捨てたとな”
言い終わるや否や巫女さんが消えました。
[うわ~っ、老人殺されたんだ]
なら、修道女バージョンでフードっぽく着こなせばいいか。
やっと老人バージョンの背中を曲げる機器外せる。
[はい、皆後ろ向いててね]
ちゃっちゃと服を脱いで機器を外し、修道女に服装に着替えました。
機器は分解すれば10~30cmの棒が10本前後アルミで軽いから何かに使える
こともあるかもと袋に入れました。
[あっ、魔方陣を写メに撮りたいから祭壇のあった所へ連れて行って]
”ちょっと待て、誰か人がいないか確認してこい”
”僕が行ってきます。少々お待ちください”
”””ヴェントよろしく”””
とヴェントが消えました。
数分でヴェントが、戻ってきました。
”大丈夫です。誰もいません”
”じゃあ、皆で転移するぞ。聖は、忘れ物ないか?
もうここへは戻らないからな”
[大丈夫、袋も貴重品も持ったから]
[じゃあ、行くぞ]
言葉が終わると違う場所にいました。
暗くてわからない場所です。
[リュミ、少し光をお願い]
”わかりました。光を少々出します”
光のおかげで祭壇のあった場所だと確認できました。
魔方陣を確認して携帯電話で写真撮影を行いました。
”聖、もういいな。ここから出るぞ”
[いいですよ。お願いします]