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「お待ちしておりました勇者殿」
はぁ??なんですって?とんでもない名前が聞こえません?
スルースキルで♪
状況確認。まず自分のいる場所、中世の神殿っぽい。
立っている真下に円に文字か、魔方陣だろ~なぁ。記録必要だろう。
よっしゃ、袋を持ってるってことは、携帯有りと。
スルーしたかったけど回り&声かけた人たち。
ふ~っ、ここまできたら定番でしょう、神官&騎士ってことは王宮関係者?。
なぜと考える前に逃げ出す算段をと。このままだとそれこそ定番!
異世界トリップの王道になること間違いなし、最初に声かけた人グッジョブ!
落ち着いて話聞いてからだと逃げられない。
あまり、しゃべらないようにして低い声でと。
「わしに何用ですかのぅ」
「申し訳ありませんが、勇者殿ではありませんか」と神官長っぽい人。
「はて、なんのことですかのう、老い先短いわしがかのぅ、ひとちがいじゃろう。
帰らせてほしいのぅ、曾孫が待っておるでのぅ」
こんな感じで逃げ切れるとありがたいなぁ。今の私の姿は、杖をついた老人ですから。
「申し訳ありませんが、魔王を倒すまで無理です」
ここもお約束、たぶん倒せた人だけが帰れるんだろう。逃げる気満々じゃ二度と帰れないってことか。
「一応確認させていただきます」
なんですと?やばい?どんなんでくる?
玉?剣?場所?とよくあるパターンを想定するけど、見かけでごまかされて欲しかった~。
「こちらの石に触れてください」
なんだぁ?祭壇中央に占いの水晶の大きさの丸い石。これが光れば勇者かな。
これは、ごまかすもなにも無理か。
老人らしい動きで石の近くまで移動。見かねた近くの騎士が、手を差し出してくれたので
つかまってよたよたとね。
これは、わざとの動きじゃないよ!動きに制限があるからこうなるの!目も同じで老眼で
あまり見えてない。
さてと石、女は度胸と占い師風に灘回してみました。えへっ。
あれ?反応ない?
がっくり膝を折っている人たちの中から「勇者ではないなんて」と。
なんですと?マジで違うんですかい?人違い?はぁ?
これからどうしろと?
*初めての小説挑戦です。どうしましょう~。展開決めずにスタートしました。盗作が怖いので似た作品があったら教えてください。すぐ止めますので。