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第1章
・・・本当は、
こんな高校になど、入りたくはなかった。
『栃木県立矢板東高等学校』
思い出すだけでも、「吐き気」と「頭痛」と「寒気」と「めまい」がする名称だ。
・・・その何もかもがイヤだった。
ぼくの自尊心も、
尊厳も自信も未来も・・・
すべて奪い去った、憎い母校なんだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ぼくが行きたかったのは、
中学時代のライバル兼親友だった、
「三友としてる君」が入学した・・・
『栃木県立大田原高等学校』だった。
矢板東高校よりも偏差値が高く、
ワンランク上位に位置した男子校。
・・・男女共学の学校なんかに行きたくなかった。
「虫の予感」っていうのかな・・・そういうのがあってね。
その悪い予感は、
悲しいことに当たっていたんだよ。
だが、
自宅から遠いことや、
通学に不便であったことなどから、父がここしか行かせてくれなかったんだ。




