63話 ヤエカワマミとポキどらいぬ
よろしくお願いします。
自室のベッドで横になり
Twitterを開いてスクロールする。
タイムラインに流れるのは、私の推しの「花スズメまる」さんだ。
彼について知っていることは、現実世界が厳しくネットで有名になって楽して生きていきたいという考えの社会人であること。そして後ろ向きな私の高校生活を少しだけ明るくしてくれる存在。
そんな「花スズメまる」さんの最新ツイートに私は度肝を抜かれた。
いいねが3万、リツイートが1万。いわゆるバズっていた。
ツイート内容は
【このマンガが超々すごい2025年々(^^)受賞】WEB部門1位獲得しました。皆様ご投票ありがとうございました。
以下のサイトで無料公開しています。これからもよろしくお願いいたします。
https://✕p✕✕✕✕✕d✕✕
本物にかなり似せたツイート。
本物のサイトを開いて受賞漫画のリスト見ていない限りこのツイートに騙される。その恩恵による彼の初のバズツイートだった。
URLリンクを開くと
確かに花スズメまるさんの漫画だった。
某有名な犬キャラクターと某有名谷のキャラクターとヤギどらごんの中間をとったようなデザインのキャラクターが料理をする漫画。
漫画の面白さの評価であれば、私は100点中の68点をつける。
落ち着くために用意したホットココアを飲んでみる。
☆☆☆
私のアカウントは花スズメまるさんが私宛に描いてくれたアイコンを使っている。背景画像は私に描き下ろしてくれた「ポキどらいぬ」のイラストだ。ヤギどらごん、有名キャラクター達の偽物だったけど本当に好きだったんだ。私は私しか読んでなかったその68点の漫画が好きだった。
私はそのツイートは通報しないで、自分のアカウントを削除した。
☆☆☆
それから1か月後のこと。
私がリュックにつけていた手作りの「ポキどらいぬ」が酷く拙いものに見えた。
みんなのリュックにはグッズ販売された「ポキどらいぬ」ぬいぐるみがついていたからだ。
高校では部活をはじめてみた。
入部時期とは違ったが自分が想像していたよりも世間は優しく自分という存在を認めてくれのだ。
ありがとうございました。