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ドリームブレーカーとヤギどらごん  作者: ヤギどらごん応援隊員
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58話 グリーンハンズマンとヤギどらごん

閑話休題 グリーン

を読んでから読んでください。



 ダメかと思った。

目の前の男に乱暴され殺されるのだとサキカタユウサは悟った。

恐怖に手が震えてスマホの操作はできそうにない。


「グリーングリーングリーン」

力強く叫ぶのが彼女にできた精一杯だった。


 男の手がユウサの服を剥ぎ取ろうと伸びた時に風が吹いた。

その瞬間、男はその場にうずくまる。

怯えるユウサの前に緑一色のグローブをした人物が立っている。うずくまる男の手首は明後日の方向を向いて曲がっている。現れた人物はグリーンハンズマンの1人であろうことは容易に推測できた。


サキカタユウサは助かったという安堵からか涙も嗚咽も止まらなかった。



グリーンハンズマンは襟を掴み男を軽々と持ち上げる。

「俺等の手配書に載ってるよ。残念。楽に死ねないね」


左手に持つスマホで撮影しながら、右の拳で暴力を振るう。


「両目を潰すのは依頼ね。歯が全部抜けるまで殴るよ。これは俺の正義ね」


人差し指と中指が男の眼球を潰す。男は歯がほとんど抜けて顔の下半分はパンパンに膨れ上がり悲鳴は出せないよう。


意識がなくならないように興奮剤を打つ。


男の右手の指を全て変形させたところで回収に移る。グリーンハンズマンは思い出したように一度振り返り、聞いた。


「これは持ち帰りますが、あなたはこれの処理について要望はありますか?」


サキカタユウサは涙で溢れる視界でほとんど見えなかったがあることを確信して力強く伝えた。

「地獄に落として」


グリーンハンズマンは笑いながらそれを抱えて去った。




☆☆☆

どこから現れたのか角の光るヤギどらごんが人通りが多くなるところまで徒歩に付き添ってくれた。


その日妖精を初めて見た。

噂の自警団もこんなに心強いものだと初めて知った。


早く忘れられるよう、幸せが訪れるように祈ってサキカタユウサはその夜眠りについた。



ありがとうございました。

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