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57話 タガヒロイチとヤギどらごん



 ヤギどらごんの名を騙り募金を募っていた犯罪グループが壊滅したということを噂で知った。


 その日、ヤギどらごんニュース配信は刺激的なものになるとタガヒロイチは確信した。

自室のPCでウインドウをたくさん開いて、ヤギどらごんニュース配信を待つ。

ただし待つのは本物ではなく、すぐにBANされる偽物の配信の方だ。

これはスピード勝負だ。


本物の配信時間に合わせて

偽物の配信も始まる。

たくさんの偽物の配信画面を開いて物騒なものがないか目を頻りに動かして確認する。

その中に1つ異様な配信を見つけた。

その画面の中では真っ黒なスーツを着た金髪欧米人MCが手にポマードを塗りたくって髪をぐしゃぐしゃに混ぜている。長い髪を上に立たせた姿はまるでスーパーな人気キャラクターのよう。MCの顔は真剣そのもの。

彼の目の真っ直ぐ熱い視線は画面越しにも感じられた。

BGMも音声もないその配信のタイトルは【YagiDragon's judgment has fallen into hell】

何を意味するのかよくわからなかったがタガヒロイチは注視し続けた。


 そこから5分経たないうちに配信はBANされた。タガヒロイチは放心に近い状態で風呂に入り、大量の酒を煽って眠りに就いた。


配信で流れた犯罪グループ制裁の断末魔が耳から離れなかった。

「助けてくれー」「だれかー」「日本に返してくれー」「やめろーーー」「どこだよここは」「みんな殺される」「撮るんじゃねぇよ」「おかあーさーん」


音声は確実に老若男女日本人のものだった。






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