50話 モリキミサキとヤギどらごん
50話到達。よろしくお願いいたします。
ブランコを漕ぐ。
力いっぱい私はブランコを漕ぐ。
ブランコと私は少しばかり空へ近づく。
息を飲む。
「ここだ」と思ったとき、私はブランコを離れられた。
お兄ちゃんに馬鹿にされたリベンジ。
私はブランコから飛ぶことができた。
その瞬間は怖くて目を閉じていたけれど。
宙に浮く感覚。足の感覚がない。
目を開けると私は空へ飛び続けていた。
ゆっくりと地面が離れていく。
ブランコよりもさらに空へ近づく。
お兄ちゃんにもできないような大ジャンプをしたことに大満足なんだけど、私は下へ降りられない。私の体は空へ向かう。
このまま空へ行くとどうなるんだろう。
「ミサキー、なにしてんだー。あぶねぇーぞー」
慣れ親しんだ声がする。
お兄ちゃんが下から私を呼んでいる。
「おりろー、ヤギどらごん、ミサキをおろせよー」
背中にヤギどらごんがくっついている。羽をパタパタと動かし私を飛ばせているよう。
「すげぇのわかったから、もどってこいよー」
小さくなるお兄ちゃんは大きな声をあげて私に手を振り続ける。
「ヤギどらごんさん ありがとう、下ろしてほしいな」
私は感謝を伝えてお願いをした。
「ゆっくりおりろよー」
お兄ちゃんは大声あげて心配しているみたい。なんだか変だ。
ヤギどらごんさんは私をゆっくり元の公園まで下ろしてくれた。
私が下に着く頃にはお兄ちゃんも公園にいた。
ありがとうございました。
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