表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドリームブレーカーとヤギどらごん  作者: ヤギどらごん応援隊員
49/107

43話 ハイタタケオミとヤギどらごん

よろしくお願いします


 ありがとう。本当にありがとう。

父は素晴らしい。父の同僚も職場の皆様もとても聡明だ。日本の未来は限りなく明るいと確信した。


 眼鏡を通して見る世界が今朝一変した。父が枕元に置いた眼鏡。それはヤギどらごんがどこにいるかわかるというもの。実験段階の品だが、父の同僚の研究サンプルとして俺が選ばれたらしい。


何か話題になればいいな、くらいの気持ちでこの眼鏡をかけて登校した時にこの発明品の素晴らしさに気づいた。


添えられていた説明書きによると、この眼鏡はヤギどらごんがよく見えるというもの。「風のよう」だと表現されるヤギどらごんを視界から見逃さないようにするという優れもの。まだヤギどらごんをこの目で見てはいないが、俺はこの眼鏡の素晴らしさにすぐ気がついた。


女性の服が透けて見える。


人気だとは知っていたが、どうやらヤギどらごんの肌に押すスタンプもあるらしく、それに反応してスタンプ周りの素肌がよく見える。


腕にスタンプがあれば、腕が、

脚にスタンプがあれば、脚が、

見事に透けて見えて異性が過激な格好に目に映る。


しかも、通学途中で結構な数のスタンプを確認できた。

多少なり男もいたが、実質透視眼鏡として活躍してしまう。


悶々とした少し興奮気味のまま、俺は教室の席に着く。

クラスの女子もヤギどらごんのスタンプを体に入れていて、俺は今にも鼻血を噴き出しそうだった。


俺は決めた。罪悪感に囚われないように、今日だけ、今日だけこの眼鏡を着けて、帰ったら父にこのことを正直に伝える。


そんな決意をしたところ、

学校生活のはじまりを告げるチャイムと共に担任教師が教室へ入る。


俺はすぐに眼鏡を外した。


53歳ベテラン男性教師のタカミゾ。その全身には隙間なくヤギどらごんスタンプが押してあった。




ありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ