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ドリームブレーカーとヤギどらごん  作者: ヤギどらごん応援隊員
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閑話休題 僕らの食糧事情2030

よろしくお願いします。


 寝ぼけ眼で眺める朝のテレビニュースは同じような内容をここ何カ月と放送している。

今年の農作物の収穫量は前年比170%超え。世界規模の収穫異常。


破棄されてしまう農作物もあるがキャンペーンとして大安売りされるものが多い。

世間はライトな菜食ブーム。 

キッチン用品の商戦、地産地消を掲げたイベントなど世間は大盛りあがりだ。


 テレビを消して、重い足取りで僕は会社へ行く。会社ではやることをやっているうちに定時となり退社する。何も考えないのがコツ。大体いつも通り。


退社後、駅へ向かう道中で同僚に初めて話しかけられた。

「野菜の収穫異常あるでしょ。あの野菜は私達宇宙人が化けたものなの」

真実か怪しい情報を、初めて交わす会話で披露された。

どうして自分なんかに話したのか目の前の宇宙人に聞いてみた。


「あなた、野菜がバカほど安いのに全く食べないでしょう。だから」とよくわからない答えが帰ってくる。


「そういえば最近の野菜ブームの中で原因不明の体調不良者が出ているらしいけど、その野菜というか宇宙人を食べたら死ぬのか?」


「そんなの知ったこっちゃないわ。死ぬ人は死ぬし生きる人は生きるわ」


「ふーん、それを食べたとして治す方法はあるのか?」


「それこそ知ったこっちゃないわ」


お互い顔を見合わせた数秒後、

彼女の平手が飛んでくる。


「宇宙人のうらみ」という言葉とともにバチンという音、そして鈍い痛みが僕の頬で発生。


「こっちは地球人の痛みの分だ」返す刀の僕の手は彼女の頬に添えられる。耳を澄ませばぺちんと聞こえたかもしれない。


結果として、お互い一回ずつ平手打ちした形となった


「じゃあね」

彼女はそう言って駅の反対方向に歩いて消えた。







 次の日彼女はいつも通り会社に出勤していた。


原因不明と思われた集団体調不良は現代医療が解決していた。


僕は明日から野菜を食べてやろうと思った。



ありがとうございました。

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