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ドリームブレーカーとヤギどらごん  作者: ヤギどらごん応援隊員
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89話 ハサキシユとヤギどらごん

よろしくお願いいたします。




 誰にも言えない叫びを聞いてください。


 私は会社のお金回りの仕事をしています。いわゆる経理です。


BtoC事業部にて、トラブルがありお客様から弊社の口座に直接お金が振込まれる案件がありました。


その事業部で使用する口座はインターネットバンキング契約をしているものではないので、お金を管理する経理として通帳を記帳して入金確認しなければなりません。


それが月曜日の話。

通帳を持ち帰って、夜8時頃に家の近くのスーパー併設のATMで記帳しました。

お客様の約束と違い、即日振込まれなかったため私は木曜日まで毎夜記帳しました。

木曜の夜に確認しても振込がなかったため、金曜の夜、つまり週末も通帳の持帰りが確定しました。この時点で私の気分はだだ下がりです。


 土曜日。

休日ながら記帳のために夜8時にいつものATMへ行くと、スーパーの駐車場がほぼ満車の状態。いつも空いてる時間なのに、と思っているところに、大きなアナウンスが響きます。


「続いて市長の挨拶ですー」

快活な女性の声のあと、男性の挨拶が始まりました。

スーパー近くの公園で納涼大会があるらしいです。そういえば珍しいくらい多くの人が歩いていました。


スマホで調べると打ち上げ花火もあるようだったので私は少し待つことにしました。


公園には行かずに駐車場から公園の方を眺めます。

女性のカウントダウンのアナウンスの後、3分ほどして打ち上げ花火が発砲されました。

ひゅー、という音のあと不発。

合計5発すべて不発でした。


こんなとき、私は車の中にあるヤギどらごんぬいぐるみを両手で握り締めます。

「会社員なんてこんなもの、会社員なんてこんなもの」


アンガーマネジメント的な独り言を終えて、私はスーパーでアイスと缶ビールを買って家に帰りました。


 こんな日々を私は送っています。

聞いても楽しくなかったでしょう。だから誰にも言えないのです。


この土曜日も入金されてなかったので、私の毎夜の記帳生活は続きます。



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