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ドリームブレーカーとヤギどらごん  作者: ヤギどらごん応援隊員
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84話 不幸な男とヤギどらごん

よろしくお願いいたします。




 ある土曜日の昼下がりのモール。

男は好みの容姿をしている女性を見かけて話しかけた。

「すみません、セスタナという雑貨屋さんに行きたいのですがどこにあるかわかりますか?」

「この道を真っ直ぐ進むとC棟に入ります。C棟4階にエレベーターで上がって時計回りに歩くとセスタナがありますよ」

女性は男を一瞥することなく、人差し指を伸ばして言った。

「ありがとうございます。妹へのプレゼントを探してまして本当に助かりました。ちょうどいい時間ですしお礼させてください。そこのカフェでお茶でもどうですか?」

「お誘いありがとう。でもその時間もお金も妹さんのプレゼントに使ってほしいかな」

これは失敗した、と男は短く感謝を述べC棟へ歩き始めようとした時女性は続けて言う。

「セスタナに行くのは初めて? お店に入るなら「あ」から始まる商品名のものを3個以上買わなきゃいけないわ。同じ商品でも違う商品でも個数は3個以上ね。それを買わないとこのモールから出られないわ。店員に話しかけられた時は「今日は彼女はいないので1人で来ました」とだけ答えれば大丈夫。会計時には「レジ袋は必要ですが、今日に限ってはいりません」と言えばいい。あなたはナンパ目的でセスタナを知ってしまったのかしら? なかなか強運ね。でももう引き返せないわ。無事に出られるように祈っているわ。私から最後の忠告。ヤギどらごんグッズを両手に握っておけば最悪は今日は起きないわ」

女性はエレベーターに乗り、ドア越しに手を振り、笑顔で下の階へ降りていった。

口の端が吊り上がった笑顔を見て、男は話しかけるべきではなかったと後悔した。


妹は元々いないし、ヤギどらごんグッズもない。恐らくこのモール内で手に入れることもできない。


☆☆☆

 精神を擦り減らし、やっとモールを出ることのできた男はビル群は歩道のさらに建物に寄って歩いて安全に努めていた。


歩行中に上からぬいぐるみが大量に降ってきた。両腕で頭を守ることに精一杯だったが、それは柔らかいヤギどらごん15センチぬいぐるみ。


バァァン

1つ、耳を劈く音が響く。


音のする方へ男が顔を上げると、

赤い液を撒き散らした人間が男に迫るように落ちてきていた。


男は何か思い出さないといけなかったが、思い出すことはなかった。



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