02 (奴隷国家日本)
「Hi Motherfucker, My name is Kanzaki, Naoto. (やあクソ野郎、オレの名前は神崎、直人)」
「……I am Miharu, the president of Miharu Company.
nice to meet you.
(ミハルは ミハルカンパニーの社長のミハルです。
よろしく)」
「Me too」
「Where did you learn that English?(あなたは、その英語を何処で学びましたか?)」
「I like FPS games.(オレはFPSゲームが好きだ。)
I play online with foreign fucking players.(海外のクソプレイヤーとオンラインプレイをしている。)
I learned English from them.(オレは彼らから英語を学んだ)」
あ~繋げられないから3文に分けたか…。
それにしても、海外のゲーマーとボイスチャットをしながらゲームをして身に着けたから、事あるごとにクソが入るんだな。
まぁ、ゲームではファッキンやシットは、感動詞だろうからな。
「Which FPS games do you like?
COD?(どのFPSゲームが好き?COD?)」
「BF」
「1942?Vietnam?(1942 ?ベトナム?)」
「2」
「Oh 2, that's good art.(おお2か…あれは良い作品です。)
are you playing with mods?(MODで遊んでいるの?)」
「YES…。」
「Have you played 3?(3はプレイした?)」
「YES…But I like how the shit in 2 is.(した…でも、2のクソっぷりは好きだ。)」
「What does 'Medic' mean in Arabic?(アラビア語で『衛生兵』は何と訳す?)」
「Sakata Harumi Jean」
「You're a good BF gamer.(あなたは良いBFゲーマーです。)」
まぁ知っている単語は少ないのだろうが、汎用性が高い単語を組み合わせる事で会話を成立させている。
一般的にネイティブと呼ばれるには 5000単語覚えないといけないと言われているが、日常会話 程度なら200単語の組み合わせ だけでも十分に成立する。
しかも、この200単語に該当する単語を他の言語から見つけてしまえば、どの言語でも それなりに会話は成立してしまうので、ナオの場合、日本語を母語として、中国語、英語、エスペラント語、トニー王国語の5種類の言語を意思疎通レベルで扱える事になる。
まぁトニー王国語は、名詞が英語の日本語だし、日本語を除けば、これでも 覚えている単語数は1000単語も行かないのだろうが…。
「で、如何だった?」
ナオが私に聞いて来る。
「会話が下品過ぎるが、ある意味では 流暢…英会話としてはNGだけど…。」
「まぁ今の日本って、複数言語を扱えないと日常会話が成立しないからな。
だからどれも 最低限は扱える様にしている。
流石に韓国語は使う機会が無くて断念したけど…覚える必要があるか?」
「いや…九州や中国地方に行けば、必要になって来るかも知れないが、今の所は良いかな。
さてと、次は 間違っている歴史と経済の授業だ。」
「間違っているのに 覚える必要があるのか?」
「少なくとも今の日本では、大多数の人が これを信じているから…テスト上での正解はコレだし…」
「そんな事をやっているから アメリカに武器を取り上げられて、財政破綻しない為に増税して経済をボロボロにするんだよ。」
「まぁそうなんだけど…それじゃあ、ナオは 生活保護受給者について如何思う?
ネットでは 働かず、国民の血税で生活している社会のクズって言われているが?」
「働いて 何かを生み出すのが経済って訳じゃない…生産された物を消費するのも立派な経済活動だ。
毎月、金を使ってくれる お客が増えているって事は、企業にとって 良い事じゃないか?」
「ふむ…ケインズ経済学か…」
「そう…生活保護 受給者を目の叩きにして廃止させるよりか、供給能力を上げずに 消費してくれる純粋な消費者として見る方が、経済が良くなる。」
「それじゃあ、社会保険料の負担が年々上がって 国の借金が1000兆円を超えているが、財政破綻を防ぐ為に借金を返さなくて良いのか?」
「国が借金を負っているって事は、貸している人物がいるはず、前に調べたら国債の半分を政府の子会社の日銀が保有していた。
子会社から金を借りているなら、日銀が納得すれば 踏み倒せるはず…向こうも借金を国民から税金で回収したりしたら、財布の中身がすっからかんになって経済が回らなくなる事は理解しているだろうし…。」
「まぁ経済学的にはあってる…けど、後一歩足りないな。」
「ん?」
「ナオが言っているのは国民が幸せになれるベスト条件。
だけど、増税をして国民を貧困化して行けば、劣悪で低賃金で労働者を雇う事が出来る…他に仕事がないからな。
そうなると 企業にとって、人件費が安くて、過酷な扱いをしても辞めない労働者は 魅力的に映る。」
「でも、それをしたら金を落としてくれる客が減る。」
「そう、なら人件費を削って安く作った商品を外国に輸出すれば良い。」
「そうしたら、働いている国民が利益を得られない。」
「だけど 利益を得られ なければ、国民は貧困化してくれるから、また人件費を下げられるな」
「……それは労働者なのか?奴隷なのでは?」
「まぁ奴隷の定義は色々あるけど、実質そうだね。
ここで重要なのは、利害関係…。
企業は 株主の配当金の為に人件費を削りたいから、労働者の貧困化を望み、国も自分達が出世するには増税が必要だから、色々な理屈を組み合わせて増税をして国民を貧困化させる。
そうすると企業が儲かる…ほら、全員が利益を得ている。」
「その全員に労働者は 含まれていないんだな。」
「まぁね…そうだな…ナオは自分が金持ちだと思うか?」
「う~ん、少なくとも金に不足した事はないかな。
ここでも 30万貰っているし…。」
「じゃあ、現場を見て見るか…」
「現場か…」
私はナオにそう言い、仕事の計画を立てるのだった。




