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14 (最終調整-クロスリンク-)

 的射(マトイ)銃砲店

「はい、いらっしゃいぃ…早速やが、鍵ぃかして貰えるかぁ」

「あっそっか、鍵が無いと、改造も出来ないのか…。」

「まぁなぁ…。」

 ナオ(オレ)はマトイに鍵を渡し、マトイは ロッカールームに入ってオレのロッカーを開け、ウージーマシンピストルを出し、受付に持って来て 工具を使って分解する。

「それで、今回の改造は?」

「コンペンセイターの取り付けとぉスプリングの交換やなぁ…。

 コイツを見て見ぃ」

 マトイがディスプレイをこちらに向ける…そこに映っているのは昨日の射撃のスピードカメラの映像だ。

「問題はぁここ…バースト撃ちの所ぉ…1、2、3、4、5…。

 ナオがぁトリガー引いてぇから戻すんまでぇ5発撃たれてるぅ…。

 これを3発までぇ下げる。」

 マトイが ウージーマシンピストルのスプリングを交換して、また組み立てて 元に戻す。

「別に秒間ダメージ(DPS)が上がる分には 良くないか?」

「いやいやぁ…そりゃあゲームならぁ 一辺にぃ弾ぁ叩き込めるぅ方がぁ強いんやろうどぉ…。

 外してぇ無駄弾が多くなるぅし、弾切れもぉ早くなるぅ。

 1トリガーで3発出るんようにするぅのが、一番効率がぁ良いぃ。

 ただぁ問題なのはぁコッキングレバーがぁ重ぅなるぅって事やなぁ~。

 よし、引いて見ぃ」

 銃が組み上がり、オレに渡す。

「引くよ…」

 オレは壁に向かって狙いを付けて コッキングレバーを引く…確かに少し重くなっている。

「少し、勢いが必要か?

 とは言え、そこまで問題になるレベルでもないか…。」

 銃を下に向けて コッキングレバーを肩を使って、効率良く力を加えて引けば、普通に引ける。

 コッキングタイムが、0.5位 伸びそうだが、装填中は 物陰に隠れているから大丈夫だろう。

「行けるやか?」

「一応、大丈夫…でも そこまで変わるのか?

 とりあえず そのコンペンセイターを付けて撃ってみて決める。」

「わあった。」

 マトイがオレから銃を受け取り、コンペンセイターを付け始める。

 コンペンセイターは マズルブレーキとも呼ばれ、火薬の発射ガスを反動を軽減する機能がある。

 とは言え、今回のメインは発射ガスを上から噴射する事で、銃を下に下げて命中率を上げるのが目的だろう。

「弾は3マガジン、90発ぅ…昨日と同じ様にぃ、セミ、バースト、フルでぇ撃ちぃ…レンジは200」

 オレは タブレット端末の貸し出し書類にサインをして、銃と弾を受け取り 200mレンジに行く。

「カメラは?」

「動いてるぅ…それじゃあ始めぇ!!」

 ブサーが なった瞬間、オレは ホルスターから銃を抜いて セレクターを『タ』にセット、ダットサイトに表示されている照準を的に向けてトリガーを(しぼ)る。

 バッバッバッ……。

 当たる当たる…。

 セミオートで 200m先の的には 良く狙えば 普通に当たるが、着弾点がバラけていていたのが、中心点近くに収束している。

 全弾撃ち尽くし、リロード!!

 マガジンキャッチのボタンを押してマガジンを床に落とし、次のマガジンを装填…コッキンレバーを引いて初弾装填…やっぱり少し重い、感覚が少しズレている。

 セレクターを『レ』にセットして、バースト撃ち…。

 バババッバババッ…。

 昨日より 反動が小さくなり、明らかに 銃が上に行きにくくなった…。

 反動の制御も かなり やり易く 無理やり押さえつける感が無くなり、オレのイメージの通りに 言う事を聞く…。

 次、ラスト…マガジンリリース、装填…思いっきり コッキング…フルオートで 的に撃ち続ける。

 基本的に この距離じゃ当たらないが、随分(ずいぶん)と銃が大人しくなっている。

「うん、良いね…アミュレットみたいに 一体感を感じて来た。

 コッキングレバーは重いんだが、腕を鍛える労力に見合うだけの性能はある…。」

「そっか…カメラのデータも理想値出しているし、じゃあ この設定で行くでぇ…。

 後は、これを元にぃガスガン作ってぇ終わりやな…。」

 ガスガンがあれば べニヤ板で作った室内戦の訓練が出来る。

 ガスガンなので 周りの壁を防弾仕様にする必要が無く、弾が安いので 無制限に撃てる。

 今後は 突入作戦とかの、チーム連係(れんけい)の訓練も出来る様になるだろう。

「弾の口径もガス圧も違うのに、同じに感覚のガスガンを作れるのか?」

「そこはぁウチィの見せ所やなぁ…。」

 オレとは別のガスガンのウージーマシンピストルを分解して、マトイが調整を掛ける。

 見た目の大きな違いは、銃に黄色いテープが付けられている事位だ。

「そう言えば、マトイって古参だったよな…。」

 オレが作業中のマトイに言う。

「まぁ…ここが出来たぁ時からぁ いたらからなぁ~。

 そもそも ウチがいなかったらぁ、武装警備会社なんてぇ造れんかったんやしぃ…。」

「銃をマトイが管理しているからか?」

「そう 資格持ってるぅ ウチがいなかったらぁ、仕事の度に警察署に行ってぇ 銃の受け取りぃ、返却ぅをする事にぃなるぅ。

 当然、銃の個人調整はぁ 出来へんしぃ、銃やぁ弾のぉ誤魔化しも難しぃ からぁ裏稼業も出来へん…そうやなぁ」

 マトイが保管庫の防弾ガラスに指を差す。

「まずはぁ…防弾ガラスのドアぁ…保管庫ぉの壁ぇは 耐弾性能の高い、装甲板…。

 コインロッカーぽくぅ見えるけどぉ…あれは全部ぅ金庫…。

 でぇ上ぇがぁ 銃の温度ぃ守るぅ為ぇの空調ぉ…。

 奥の部屋はぁ…弾薬庫ぉ。

 法律ではぁ 銃と弾はぁ…別の部屋ぁで管理せんと行けんからなぁ…。

 で、弾薬庫の壁ぇは 防弾 耐爆仕様…。

 例え、誘爆ぅ、暴発ぅしてもぉ、あの部屋の中でぇ治まる様になってるぅ。

 ここまでせんと、公安からぁ許可が降りんかったぁ…。」

「金掛かってるな…。」

「シューティングレンジも含めてぇ2000万位かや…。

 ミハルの出資が なきゃ こんな施設ぅ、造れんかったわ~。」

「まっ採算合わないだろうしな~。

 それで、社外の銃も預かっるんだよな…。」

「ウチん会社は 一応独立しているんからぁ…ミハル警備も社外やぁ。

 他ぁだとぉ、実弾競技の選手の銃の保管やメンテ、猟銃の修理もぉやっとるなぁ…。

 外からぁ持ち込みでぇ定期訓練に来るぅ人もいるしぃ…食べて行く分にはぁ問題無いんかんね~。」

「色々出来るんだな…。」

「まぁな…ほな、銃返してぇトレーニングルームに行きぃ…射手(シューター)(なま)けてぇいると銃に嫌われるでぇ…。」

「分かったよ…。」

 オレはそう言い、銃の返却手続きをして トレーニングルームに向かった。

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