表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/140

フェニックスの魔石

「さて、ほのりんよ。フェニックス戦の後、【魔法少女】のランクが上がっているはずだ。確認した方が良いぞ」


 あ、そうだ。魔法少女専用クエストや、フェニックスの魔石を手に入れたので、新たなスキルを取得しているかもしれない。

 フェニックス戦の後は、意識を失ってウィンドウに表示された内容を確認する事ができなかった。なので、1度ステータスウィンドウとスキルブックを開き、中身を確認する必要がある。


「ステータスオープン」


 私の言葉に反応し、ウィンドウが表示されると、ステータスが表示される。


 魔法少女のランクが〈★★☆☆☆→★★★★☆〉になり、各ステータスがアップしました』


 レベル なし

 称号 ナヴァトラナを集める者

 クラス 魔法少女〈★★☆☆☆→★★★★☆〉

 ひっとぽいんと ★☆☆☆☆→★★★☆☆

 まじかるぽいんと ★★★★★

 ぱわー ★★☆☆☆→★★★★☆

 たいりょく ★☆☆☆☆→★★★☆☆

 まじかる ★★★★★

 はやさ ★★☆☆☆→★★★★☆

 うん ★★☆☆☆→★★★★☆〉』


「あら? ランクが2つも上がってるよ」

「ほれ、魔法少女専用クエストを見てみるのだ」


 どれどれ……おおお?


 ☆ダンジョン20層クリア

 ☆ダンジョン40層クリア

 ☆ダンジョン60層クリア

  ダンジョン80層クリア

  ダンジョン100層クリア

  他のハンター達と協力しレイドをクリアする

  ダンジョンランキング1位になる

  100億円稼ぐ

 ☆人助けをする 

 ☆知名度が一定数以上になる

 ☆魔法少女を狙う悪人を倒す 

  悪の組織の野望を食い止める

  まじかるを開放する



「ダンジョン60層クリアと……知名度が一定数以上になる、をクリアしてる!」

「おめでとう。魔法少女のランクもあと少しでカンストだ、61層から80層のユグドラシルの塔も攻略する事も可能だ。しかし、81層からは世界樹ユグドラシルの中だ。簡単には攻略出来ない」

「そうなんだ……。流石にソロじゃクリア難しいの?」

「それもあるが、魔法少女が足りない」

「魔法少女が足りないって……まさかあのスキルを使わないといけないの?」

「そうだ。81層はEXクラス保持者が2人以上でダンジョンゲートが開く仕組みになっている。このアライアンスパーティーには魔法少女ほのりんしかいない」


 魔法少女のEXスキルに【もうひとりの魔法少女】というスキルがある。このスキルを使えばもしかして、任意に誰かを魔法少女にする事が出来るかもしれない。

 私のスキルを使って、EXクラス所持者を2人にする事は簡単だけど、EXクラスって魔法少女以外、どんなクラスがあるのだろうか? クラスによってレアリティや上位クラスと呼ばれているモノは存在しているが、EXクラスについてはネットにも載っていなかった。

 もしかしたら、クラスのレアリティについては、確認する手段がなく、いくつかのクラスが存在しているかも知れない。

 目の前にダンジョンに詳しく人がいるので聞いてみる事にした。


「ちなみに現在確認されているEXクラスって何があるの?」

「EXクラスは【魔法少女】と【歌姫】だ。このクラスは特別なクラスであり、使い方次第では世界を崩壊させる事も出来る」

「えええーーー!?」


 【歌姫】のクラス保持者は南本りぼんちゃんだ。最近出した歌が大ヒットして、アイドル歌手として現在大人気になった子だ。私がダンジョン初心者講習を受けた時に一緒になった子で、たまに連絡を取り合う中である。しかし、南本りぼんちゃんのクラス【歌姫】がEXクラスで、81層の鍵だったなんて……。


 流石にダンジョンの中に連れ回す訳にはいかないな〜。

 【歌姫】のスキルを戦闘向きなのだろうか? たとえ出来たとしても、81層について来れるだけの実力をつける為には、並大抵の努力では成し遂げれないと思う。

 そうなると、短時間で確実に取れる手段は限られてくる。


「ねぇ、ルル様。私が取得した【もうひとりの魔法少女】って誰でも魔法少女にさせる事が出来るの?」

「可能だ。ちなみに男でもクラスチェンジできるし、猫や犬でも可能だ。知能が低い動物に秘密の呪文が言えるか微妙だがな」


 な、なんと!? 男性でも動物でも可能なの? それなら……。


「我は不可能だ。そもそもクラスチェンジオーブが使えない」

「ちっ、ルル様を魔法少女にしよう作戦は失敗か」

「我はこの世界とは別の理に存在する。ナヴァラトナを得て初めて力を行使できるのだ」

「別の理ね。まるで別の世界の神様みたいだね」

「フッ。そうだな。……さて、誰を魔法少女にするかもよく考えておくのだ。これはとても重要な事でやり直しがきかんからな」

「はーい」


 次の魔法少女の候補ね。私と同じ境遇になるなのは仕方ないとして、魔法少女に適任なのは、奈々子ちゃんかな? 以前【魔法少女】のクラスチェンジオーブを持っていないか聞かれた事があるので、もしかしたら魔法少女になりたいのかもしれない。

 後は……周防院さんや柳瀬さんかな? でも彼女達は自衛隊としての職務があるしな〜。

 私が魔法少女にならないか? と聞けばなるかもしれない。とりあえず候補には入れておくか。

 南本りぼんちゃんは【歌姫】のクラス保持者だし、魔法少女になる事は望まないと思う。

 元々歌手になる夢があって、今も頑張っているからね。

 Chrome Tempestのメアリーさんは、おっぱいが強調されたイメージだなぁ……魔法少女というより魔女のイメージが強い。

 でもメアリーさんが魔法少女になったら知識や経験でかなり強い魔法少女になるかもしれない。

 後は男性でも良いって事はマイクさんか。

 マイクさんの身長で魔法少女ってイメージじゃないな〜、怪盗って感じ。

 アニメで出てくる謎の覆面怪盗、マスクの下からイケメン匂漂う口元にスラッとした身体の線。う〜ん難しい。

 後は……萬田さん? 本物の魔法少女まんまんになれるなら、喜びそうだけど……絵面が……正直キツイ。

 萬田さんは最終手段にしよう。そうしよう。


 魔法少女の候補者選びで唸っていると、ルル様が二本満足を催促してきた。アイテムボックスから、二本満足ベイクドチョコレート味を出してあげた。


「これは美味いな」

「私もそれ好き」


 もぐもぐと食べているルル様は、思い出したかのようにフェニックス戦の話に戻した。


「そういえば、フェニックスの魔石を手に入れただろう? スキルポイントの他に、新たなスキルを得たはずだ。確認してみるがよい」

「あ、そうだね忘れてた。まじかる☆スキルブック!」


まじかる☆スキル〈EX〉


まじかる☆ドレスアップ〈★★☆☆☆〉

魔法少女は普段は普通の少女

魔法少女は身バレしない

魔法少女の相棒

まじかる☆ボックス〈中〉

魔法少女は諦めない

もうひとりの魔法少女

まじかる☆リヴァイヴ



 まじかる☆リヴァイヴなる物が増えている。リヴァイヴって事は蘇生する魔法なのかな? もの凄い魔法かもしれないぞ!


「ルル様! まじかる☆リヴァイヴって魔法覚えたよ!」


 少し興奮気味でルル様に報告すると。二本満足ベイクドチョコレートの2本目を口にする。


「もぐもぐ。感づいているかもしれんが、それは死者蘇生の魔法だ。どんな遺体の状態でも元通り復元し魂を再度定着させる禁術だな」

「禁術なの!?」


 急に恐ろしくなった。禁術っ言うとゲームでもかなりやばめな魔法やスキルだったりする。

 強力な魔法にはそれ相応のリスクがあるはずだ。


「そう恐れるでない。メアリーのクラス【ビショップ】や油目の【白魔道士】には瀕死の者を救う魔法【レイズデッド】が使える。ただ、まじかる☆リヴァイヴと【レイズデッド】には明確に効果が違う」


 ごくりと私の喉が鳴る。


「【レイズデッド】は胴体が千切れようが、頭部が弾けようが、生きていれば救える。しかし、完全な死からは救えない。完全な死とは肉体と魂が完全別れた状態の事だ。そして、まじかる☆リヴァイヴは肉体と魂の繋がりが途切れたとしても再び繋ぎ止め、肉体を最善の状態に戻す。ただし、その魔法は1度きりだ。ここぞという時に使うのだぞ」

「……うん」


 強力な力にはそりなりのデメリットがあった。リスクでは無いかもしれないけど、1度しか使えない。そうなると、もしレイド・竜王討伐戦で死者が複数出た場合、【レイズデッド】で救えれば良いけど救えなかった場合、ひとりだけ私が救う命を決めなければならない。……そんな事、私が決める事が出来るのだろうか?


 伊豆修善寺ダンジョンの攻略開始から約4時間。お昼を過ぎた段階でダンジョンを攻略したのはChrome Tempestの3人、JDSTの4人、ATLANTISの末留さん以外の2人だ。


 JDSTの後衛である油目さんや柳瀬さんがソロでクリア出来た事に驚きだったが、6層のボスは特殊で、苦手なモンスターが現れるらしく、落ち着いて対処すれば難無くクリア出来るらしい。


 私の時はデスボールだったな〜。確かにデスボールは一番印象が強く、かなりの強敵だった。

 今出てきたら楽勝だけど、あまり相手にしたくないモンスターの一匹だ。


 にしても、末留さんは経験不足で手間取ってるのは分かるけど、奈々子ちゃんが苦戦するモンスターか……。

 少し覗いてみようかしら。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ