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2ヶ月後…

私も若返りたいですねぇ

 初心者講習を受けてから、あれから2ヶ月以上が経ち、7月末に差し掛かった。

 東京の気温は7月だというのに、連日の猛暑日が続き、外出するのも億劫になってくる。


 魔法少女のクラスを手に入れてから大変な事が起きたけど、ハンター生活が3ヶ月目になった私は活動休止していたハンター生活を再開するべく、先日、久し振りにルル様に会いに行く為に渋谷ダンジョン21層へと潜った。

 そして魔法少女に変身早々、ルル様に怒られたと言うか心配された。


「何故連絡を寄越さぬのだ! 我は寂しかったのだぞ! 厳し過ぎたのか? 理由を教えてくれ! 謝るから!」


 修善寺ダンジョンクリア以降、魔法少女に変身する機会が全く無かったのと、ダンジョン初心者講座に参加したり、護身術の習い事に行ったりと色々忙しかった。そんな訳でルル様とはそれっきり会っていなかったのだ。

 寂しそうな表情を浮かべたルル様を見た私は、ちょっと可哀想だったかな? と、思うと胸が少し痛んだ。

 私も理由も言わずに活動休止していたのも悪かったので、ルル様に謝罪して、近いうちに本格的にダンジョンの攻略を再開する事を伝えて来たのが先日の話しだった。


 そして本日は週2で通っている護身術の教室にやって来ていた。決して広くはない部屋に大きなマットが敷かれており、様々なトレーニング器具が設置されている。

 私はその教室の1画で、汗を流しながらトレーニングをしていた。

 

「十条さん、いいね! その調子でワン・ツー、ワン・ツー!」


 オープンフィンガーグローブをつけてミットを付けた講師の人にパンチを当てていく。そして時々ローキックを入れたりしてキックボクシングのようなトレーニングを熟す。

 さらに組手を行い、暴漢に襲われた時の対処法を教わる。


「はい、お疲れー」

「ありがとうございました」

「随分と慣れてきたね。最初と比べると良い動きだよ」

「確かに身体も絞れてきたので実感が湧いてきますね」


 ダンジョンインストラクターの有家さんの紹介で、クラヴマガ教室を営んでいる千葉 一成さんに私は護身術を習っていたのだ。

 1日1時間のマンツーマンでレッスンを行い、今では実践技術を学ぶ所まで来ている。


 千葉さんの話によると、女性が護身術を習いに来るのは今や当然らしく、ダンジョンが出来てからはモンスター相手に闘う為に習う人も多いのだとか。


 シャワーを浴び終わって休憩室で一息ついていると千葉さんが話し掛けてくる。


「十条さん、この後食事でもどうだい? 良い店知ってるんだよ」

「あ、結構です。これから用事があるので」

「いや〜残念」


 千葉さんの教え方は的確で丁寧に教えてくれるのは有り難いけど、私に気があるのかやたらデートに誘って来るのよね。

 勿論デートは行かない。最近はダンジョンアタックを再開したのもあるが、千葉さんはタイプじゃない。しつこいし。

 理想が高過ぎなのは理解しているけど、できればエバンスさんみたいな漫画やアニメから出て来るようなイケメンが良い。



 クラヴマガ教室を終えて、私は渋谷ダンジョンセンターの裏手からダンジョンセンター内に入ると、奈々子ちゃんが待っていた。

 予め来る事は伝えておいたけど、待ってるとは思わなかったよ。


「十条様お待ちしておりました。こちらへどうぞ」


 奈々子ちゃんに案内された個室は防音や盗聴対策ばっちりの部屋だ。

 私の秘密を知っているのは奈々子ちゃんだけなので、アイテムのやり取りや秘密のお話は基本ここでやっている。


「ふう〜、穂華ちゃんいらっしゃいませ。お茶飲みますか?」

「うんありがとう」


 人前ではカッチリとしており、崩した感じは個室に入った時だけだ。

 これでも話し方は結構フランクになってきた方だ。


「そういえは穂華ちゃんお肌がピチピチになりましたね? ジムに通ってるだけじゃなさそうだし……もしかしてアレ食べました?」

「はい、実は3つ全部食べたら19歳か18歳くらいの時の肌質に戻りました」


 奈々子ちゃんの姿を見て、実は私も先日食べたのだ。その効果は劇的で、高校生の時のお肌に戻っていたのだ。

 ただ、身長が2cm程縮んでいたので、肉体の時間が約5年分くらい巻き戻った事に気がついた。


「う、羨ましい!」

「奈々子ちゃんだって22歳ぐらいまで戻ったんですよね?」

「それはそうですが……10代の壁がががが。……あ、今度また修善寺ダンジョン行きませんか? ひたすたらトレント狩りするんです!」


 奈々子ちゃんは前のめりに迫って来ると、私の視線が奈々子ちゃんの開いた胸元に移ってしまう。ち、近いですよ奈々子ちゃん……。


「いやいや……奈々子ちゃん、前に言ってたじゃないですか、報告書をJHAに提出したらJDSTの別チームがトレント狩りを始めて、2ヶ月粘ってもあの赤い実を実らせたトレントが出て来ないって」


 奈々子ちゃんが提出した資料を見たJHAは半信半疑だったが、奈々子ちゃんは赤い実を2個JHAの幹部の前で食べたらしい。

 奈々子ちゃんの姿が見る見る若くなり、肌のコンディションも見て分かるくらい変わったのだ。

 それを見たJHAの幹部達は、JDSTを伊豆にある修善寺ダンジョンに向かわせて攻略を開始したそうだ。

 因みにJDSTは、4層のボスを倒せなかったらしく、完全攻略はできていないそうだ。


「ぐぬぬ。あと1個……いやあと2個欲しいです!」

「増えてるやん……」

「だって〜」


 駄々をこねる奈々子ちゃんは可愛いなと思う。しかし伊豆に行くのも大変だし、レアボスが出現しないと無駄足になる可能性がある。

 行こうと思っても中々行けないのが現状なのよね。


 おっと、話がそれちゃったけど、奈々子ちゃんに渡す物があった。


「あ、このアイテムをオークションに掛けてもらえますか?」


 取り出したのは、クラスチェンジオーブ〈グラップラー〉〈双剣士〉〈治療術士〉〈白魔道士〉〈大剣士〉〈槍術士〉とスキルクリスタル〈完全変態〉〈恐怖耐性〉〈中級剣術〉だ。

 久し振りにルル様と会って来た時に、リハビリも兼ねてダンジョンでモンスター達と少し戦闘をして来た。

 その時、いくつかの素材やスキルクリスタルをゲットし、ボス以外の宝箱を発見したのもこの日が始めてだった。


「流石穂華ちゃん。普通のハンターはこんなに持って来ませんよ」

「以前修善寺ダンジョンで手に入れた物もあるよ」

「それでもです」


 ふ〜む。魔法少女のステータスの運が高い? せいか、高価なアイテムが手に入りやすい気がする。


「以前穂華ちゃんが連れて来た2人は穂華ちゃんとパーティーを組んでましたか?」

「組んでたよ。ダンジョン初心者講習に参加してたメンバーだったからね」

「……なるほど、穂華ちゃんとパーティーを組めば運上昇の恩恵があるかも……? これは修善寺ダンジョンに行くしかありませんね!」


 だめだこりゃ……。

 奈々子ちゃんは若返りの実の虜になってしまったよ。ルル様も言っていたけど、食べ過ぎると赤ちゃんになっちゃうし、最悪……は想像したくない。


「修善寺ダンジョンとは言わず、お盆休みを利用して別のダンジョンに行っても面白そう」

「なるほど、北海道から九州までありますからね。もしどこか他のダンジョンに行くのなら、私も同行いたしますので」

「奈々子ちゃんも来る?」

「私は穂華ちゃんの専属ですので、サポートも任せて下さい」


 のんびりひとり旅とは行かなそうだ。

 だが旅は道連れ世は情けと言うし、奈々子ちゃんなら戦力的にも申し分ないし活躍してくれるだろう。

 他にも私の秘密を知っているし、ダンジョンでの活動やダンジョン産アイテムの売買でも力になってくれるだろう。


「それじゃあ8月のお盆休みを利用して、何処か別のダンジョンに行ってみようか〜」

「やった♪」


 私の提案に奈々子ちゃんは喜んでくれたようだ。ダンジョン旅行だけどそんなに喜んで貰えると、私まで嬉しくなってしまう。


 きっと奈々子ちゃんはストレスが溜まって入るんだろな〜。

 修善寺ダンジョンに行って以来、人が変わったようになったもん。きっとダンジョンでストレス発散出来るのが相当嬉しいのだろう。


 お互いの夏のスケジュールを確認した後、奈々子ちゃんにクラスチェンジオーブとスキルクリスタルをオークションに出してもらう為に手続きを済ませてもらった。

 明日の昼には私が手に入れたクラスチェンジオーブが世界中で公開され、様々なハンターや企業、国の関係者達が挙って入札を始めるだろう。



 

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