いつの間に
第三話です。
俺はうっすら目を開けた。天井は白い。どうやらベットの上っぽい。
肘をついて起き上がろうとした。
「いたっ!」
すごい痛かった。やっぱこういうシーンって痛むんだな。
「大丈夫? まだ起き上がらないで!先生呼んでくるから。」
右を向いたらお袋が座ってた。わざわざ来てくれたんか、、、てか、今何時だ?仕事!!!
「今何時?仕事行かんと!」
俺は咄嗟に言葉に出た。
「大丈夫。会社には連絡してる。調子良ければ明日から来てほしいって。」
お袋がそう言って俺を軽く抑えた。
『明日から』って流石うちの会社、、、て、昨日のはなんだったんだ! 夢か? てことは俺は死んでないのか? 自分不信になりそうだ、、、
とりあえず確かめよう。
昨日飛び込んだ時、ちゃんと感覚はあった。
その後、突然電車の中で倒れてた。ここも五感は働いてた。
そして、今も五感は働いてる。俺はそう感じる。
リアルな夢か?そしたら今日と昨日どっちが夢?
あ!お袋にまず聞いてみよう。
そんなこと考えてたら、医者とお袋が病室に入ってきた。そっか、ここ病院か。
そんなこんなでゆっくり立ち上がり、心拍数とか瞳孔チェックとか受けた後、
医者から
「怪我は軽い打撲で済んでます。恐らく頭を打って脳震盪を起こしたのでしょう。貧血かなんかで倒れました?」
って言われた。
「あ、いや、ごめんなさい、覚えてないです。」
どうせ信じてもらえないし、なんか昨日の事は言えなかった。これが俺の悪いとこだな。
「そうですか。もし体調が良いと感じるなら、今日にでも退院できますよ。」
「じゃあ退院します。」
「わかりました。何かありましたら、すぐいらして下さい。」
「はい。」
起きてから暫く経ったからか、肘と膝の痛みもマシに思えてきてた。
最後に医者にお礼を言って、お袋と病院を出た。
第三話までお読みいただきありがとうございます。
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第4話に続きます。




