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勘違いの果て  作者: SSiNN
9/40

9.クラス会(後)

「こんにちは」

「こんにちは」

「ヤッホー」

 待ち合せの場所に着くとクラスで見覚えのある人たちが複数人集まっていた。

「予約は1時からなんだけどみんな早いね」

「一時過ぎに集合にしたのはなんで?」

「時間的に昼ごはんを食べてくる人がいると思ったからちょっと遅めにしたんだ~」

 自己紹介で名前を憶えてないから誰なのか分からん?

 集まってるのは比較的女子が多いな。来ないのは…確か5人くらいだっとはず。クラス全体が40人位だったから来るのは35人か。

「予約していた霧島です。」

「ご予約いただいたお部屋は201、201、202室ですね。時間は1時からなのでもう少ししたらご案内いたします。」


------------------


「とりあえず3部屋とったから適当に分かれて入ってー」

 時間になり店側の準備が終わったので集まった人全員が案内された部屋へ向かった。

同じ部屋に入ったのは大野、華麗、飛菜子、井上…分からないやつ8人だ。ただ、男女割合は5:5だった。

「みんなドリンクバーどうする?」

「「「頼む」」」

 それぞれドリンクバーを頼み、割りばしで適当にくじを作り歌う順番を決めた。歌っている曲を見てみるとそれなりにみんな歌を聞くのか、最近出たばかりの曲、少し昔に出た曲などいろいろあった。

「~~」

「みんなそれなりに音楽聞くんだな」

「雨田は聞かないの?」

「うーん、家が無人で音がなくて寂しい時に適当に聞いてるだけだな」

「あんまり曲知らない?」

「そうかな?知ってる曲もあるけど、名前と歌詞が一致しないものが多い」

 実際、音楽は聴くけど名前と歌詞が一致していないため中学で苦労した。クラスで歌う合唱会で候補に挙がった曲の歌詞が最初分からなかったためだ。

「ちょっと飲み物取ってくる」

「雨田、俺のも頼む」

「分かった」

「リュー、いっしょに行こう?」

「いいけど、俺取ってくるぞ?」

「私には私のジュースがあるの」

 華麗はドリンクバーでよくいろいろなジュースを混ぜることがある。その結果…いうまでもなく不味い。

「別にいいけど俺は責任取らないぞ」

「はーい」


------------------


「うぅ」

「どうしたの華麗ちゃん」

「…と…と…を混ぜたらすごく不味かった………」

「え?」

「飛菜子、もし調理実習で華麗と組むとこんな感じになるぞ。気をつけろよ」

「どういうこと?」

「いつもこんな感じで、いろんな物を混ぜたがるんだよ。そしていつも『不味い』って言ってるんだ」

「でも、それじゃあクラスの人の誰かは組まないといけないんじゃないの?」

「その通り、中学三年の時なんかみんな知ってるから先生と組んでた。」

「…そうなんだ。」

「一度大野と組ませたとき、よくわからない科学反応が発生した。」

「なんで?」

「よくわかってないんだけど、華麗が間違えて洗剤を入れたんだっけ?二種類くらい混ざるな危険のやつ。」

「そうだったな、あの時はふざけすぎた…」

「(ふざけてもそんなことになるとは思えないんだけど…)」


------------------


 みんな歌い続けて落ち付いた頃

「みんな、なんかゲームしない?」

「なんのゲーム」

「人狼ゲーム、トランプ、UNOとかいろいろとあるよ」

 確か、霧島だったか?いろいろと荷物が多いなと思ったけど、それ入れてたのか…

「トランプにしない?面白そうだし」

「いいな、それ」

「それにしようよ」

「何か賭ける?」

「じゃあ、そこのコンビニでなんか買って来よう」

「いいね、じゃあ、俺買ってくる」

「あ、待って。私の家に買いすぎたお菓子があるからそれでいい?」

「買いすぎ?」

「母がネットショッピングでお菓子を買うときにうっかり全部ダブルクリックで注文したから1つ買ったと思ったら11個になっていたらしいです。家も近いですし。」

『(在庫処理?)』

「まぁ、それでいいんじゃない?」

 霧島が提案し、トランプに決定し景品は霧島家の在庫処理ということになった。


------------------


 コンビニで買ってきたお菓子?(景品)は個包装のものが多くチョコレート、クッキー、飴などがあった。それを、見た飛菜子の目がすごく輝いていた…

 でも、この人数でどうやってやるんだろう…

 この部屋でも12人いるからババ抜きをすれば一人4.5枚くらいだ。でもその分終わらないだろう…

 そもそも、やるにしても何をするんだろう?ババ抜き、神経衰弱、ポーカー、大富豪、スピード(無理)、ダウトも多分無理だな嘘をついても人が多すぎて嘘がばれる。あと何がある?


「ルールを決めようか」

「えっと、じゃあ4人一組で集まってABC班を作って勝ったら上がる、負ければ下がる、A班は上がるときはC班に、C班で負ければA班に行くっていうのはどうかな?」

「いいけど何するの?」

「A班は大富豪で富豪とかでの優劣はなし、B班はババ抜き、C班はダウトっていうのはどう?」

「へー、班によって遊びが違うのか」

「いいんじゃない?」

「景品用のお菓子は均等に分けて順位が高い順にお菓子をもらっていくっていうのでいいよね」

「それで、そんなにいっぱい買ってきたのか、お菓子。(見るからに1万とかかかりそうな量だな)」

「雨田は得意なゲームってあるの?」

「神経衰弱とかだけど、時間がかかるからこの場ではできないな。」

「まさか、開いたカードを全部覚えてる感じ?」

「リューは一度でたカードはほとんど覚えてるよね?」

「全部はさすがに覚えてないぞ」

「たまにミスするしな」

「全部覚えるなってできると思うか?」

「記憶力いいじゃん」

「本に書いていることなら覚えることは簡単だけどトランプは難しい。」


「じゃあ、班を分けようか」


------------------


「リューは何班?」

「俺はC班、華麗は?」

「私、A班」

「俺もA班」

「私はB班」

 俺:C班 飛菜子:B班 華麗:A班 大野;A班 

 そこで、俺は三人と別れた。


「それじゃあ、始めようか。」

 景品は18枚個包装のチョコレートだ。

 一位7枚

 二位5枚

 三位4枚

 四位2枚

「(配られたカードは2が四枚6が四枚10が三枚…偏りすぎじゃない?順番は霧島由紀、俺、佐伯浩太、船頭瑠香の順だけど…勝てるなこれ)」

「じゃあ私がAを1枚出すね。」

「俺は2を4枚」

「ダウト」

「違うぞ、」

「えー、嘘じゃないの」

「それじゃあ佐伯、その五枚はお前のものだ。」

「次は間違えないぞ」

「ガンバレー」

「じゃあ、俺が3を3枚」

「私は4を3枚」

「(嘘か?でも俺に『ダウト』を言うメリットがないから言わないな)」

「ダウト」

「またか、佐伯」

「あたり、勝負を焦りました。」

「それじゃあ、6枚受け取ったら?」

「はい。」

「次は私か…5を1枚」

「6を四枚」

「「「マジ?」」」

「知らん」

「誰か、ダウトって言えよ」

「いやだ」

「でも一人にそんなに勝ちやすくまとまるってことある?」

「ない、気になるけど、ダウトっていえばカードが増える…」

「そのカードだけひっくり返さない?」

「いいぞ」

 そういって俺が出したカードを裏返すと…三人の顔が驚いてすごいことになってる…

「そんなことってある?」

「あり得るけど…」

「でも今雨田は残り三枚、次もそんなこと起きたら奇跡」

「続けようか」

「次、7を二枚」

「8を二枚」


------------------


 俺が残りのカード(10の三枚)を出すと、霧島が『ダウト』と言ったが嘘ではないため霧島が場に出ているカードをすべて好き受けることになった。2+2+1で5枚か、ダウトってそんなに『ダウト』って言って場が動かないものだっけ?

 そんなことがあって俺が圧勝し、景品のチョコレート7枚をもらった。

 少ししたら、船頭瑠香が二位で勝った。残り二人になったダウトのゲームはすぐに勝負がつく。相手が出したカードをすべて把握することができるからだ。そうなったら、運の勝負だな

 それからしばらく泥仕合が続き、結果、佐伯浩太が3位、霧島由紀が4位になった。

 勝った俺はB班に、負けた霧島由紀はA班に行った。

「飛菜子、勝てなかったんだな。」

「ババ抜きは運任せだからね」

「雨田は勝ってきたんだね。」

「運が良かっただけだ」

「私、ポーカーフェイスって苦手なんだ」

「俺も苦手だ」

「苦手なんだ」

「なぜかは分からないけど、華麗によく負ける」

「え?」

「なんか笑って目を合わせてほしいカードを当ててくる」

「…そうなんだ…」


============


 それからしばらくしたら、景品のお菓子が無くなった。

 俺はかなりいい調子で勝ち続け食べきれないほどお菓子が手に入ってので、飛菜子に上げることにした。

 また、みんな歌いはじめたが、なぜかみんなバカ騒ぎし始めた。

 なんか意味不明の行動をとる奴、それを介抱する奴、見て見ぬふりをして過ごす奴…

「うへぇ~」

「いぇーい」

「わーい」

 なんだこの状況?カオス化してる。何人かがこんな状態になり雰囲気が移り、今の状態になった。雰囲気が悪酔いしたサラリーマンみたいだ…

「リュー、@?!<>~~^\」

「…なんて言った?」

「@::{}」

「分からんぞ、ちょっと飛菜子ー助けてくれ~」

「…ー、雨田、どうしたの?」

「まさか、お前もか?」

「………」

「おーい」

「………」

「黙り始めて様子がおかしいな」

 ふと、机を見るとアルコール入りのチョコレートの包装紙があった。中身が入ってない…

 もしかして、これ食べて酔った?

 確か、アルコール入りチョコを食べても別に法律に触れるわけではない…はず。

 霧島由紀が持ってきたお菓子にアルコール入りのチョコがあったらしいな。まぁ、買ったのは霧島由紀の母親らしいから、あり得るんだけど…

 漫画とかじゃないんだしそんな展開あるか?でも実際そんな展開が出てくるはなしだったら、俺と同じ気持ちだと思う。『こんな展開起こるか?』って…

「おーい大野、もしかしてだけどこれ食べておかしくなった?」

「俺も食べたんだけど…」

「アルコール入りチョコって大人でも酔わない…はず」

「それ食べて車運転したらアウトだけど…」

「実際これ見ておかしいとは思はないか?」

「ラブコメ展開だね」

「別にラブコメ以外でも出てくるんじゃない?」

「俺はラブコメしか知らない」

「そういえばそういう漫画をよく買ってるらしいな」

「あぁ」

「おぉの、飲み物取ってきて」

「えー」

「雨田、頭撫でて~~」

「はぁ!?」

「リュー、私も撫でて~~」

「いいなー雨田、両手に花だな。」

「アルコール酔いした人を介抱するのって結構大変だぞ?」

「まぁまぁ、いいじゃん」

「大野、俺のジュースもとってきて?」

「何がいい?」

「コーラとメロンソーダ5:5」

「はーい」

「おぉの~私、紅茶とコーヒーと炭酸水」

「いやだ、周りから変人認定がされる」

「そもそも、おいしいのか?」

「…多分合わない」

「だな。」

「とりあえず水二人分」


------------------


「飲め」

「麦茶とコーヒー混ぜてないの~」

「さっきと違うし、そのアルコールどうにかしてくれ」

「都留さん、これ飲んで」

「ぁめだ、飲ませて~」

「大人気だな~」

「大野、手伝え」

「なんで先に華麗から介抱したんだ?」

「お前らが昔からバカやらかす前に止めに入ってたのを忘れたか?」

「覚えてるぞ?」

「その癖かな」

「都留さんより華麗が大事か?」

「どうした?なんでそんなことを聞くんだ?」

「最近、華麗が雨田に避けられてる気がするって言っててな」

「避けてるつもりはないけどな」

「けど?」

「華麗が好きな奴がいるって言ってたからそいつと華麗がとうまくいくようにしようとすれば、外堀的に俺はあまりよくないかなってな」

「…やっぱり」

「なんか言ったか?」

「なんで、そんなことに考え着くんだよ。華麗はお前から避けられてると思って自分が何か悪いことをお前にしたんじゃないかって心配してるんだぞ」

「…」

「外堀?そんなことを考えるより先にいつも道理の態度で華麗に接してやれ、華麗にとっては恋愛どころの話じゃなくなるっていうことくらい想像つかないのか!!」

 大声で大野が俺に説教をしたせいで周りから喧嘩かと心配された目線を向けられた。

「…」

「<なんで否定的に考えてるんだよお前>ボソ」

「なんか言った?」

「なんでもないぞ」

「分かったよ、確かに俺が悪かった。」

「華麗にはできるだけいつも通りに接してやれ、それと華麗を応援してやれ」

「分かったよ」

「俺が思うに恋愛はやるより見る方が面白いぞ?俺はお前が避けていたせいでそれが見られなくて残念だったな」

「確かに恋愛小説を読んでたらそう思うけど…お前まさか恋愛漫画にはまりすぎて洗脳されたか?」

「洗脳はされてない、ただはまってるだけだ」

「そんなことよりこの猫どうするんだ?」

「猫だな」

 華麗が猫みたいに丸くなり飛菜子はニャーニャー言って俺をひっかいている。仕草が完全に猫そのものに見える。

「そこはキャバクラか?」

「佐伯、別にいいけどこの苦労はお前には分からないと思うぞ?」

「モテてますが何かってか?」

「そんなんじゃないけどこれすごくめんどくさい。」

「楽しそうだけどな」

「そこらにいるバカ騒ぎしてる奴らは初めてアルコールを摂取してテンションが上がりすぎてるだけかな?それよりこれは状態がひどいぞ、多分20歳になってから酒を飲んだら不味い人みたいだな。」

「大野と佐伯、俺ちょっとトイレ行きたいからこれ任せた。」

「任された。都留さん、ちょっとこっち来てね。」

「にゃ~」

「撫でていい?」

「多分やらないほうがいいと思う」

「どうして?」

「あとで記憶残ってると気まずいから」

「同じクラスだからいやでも顔を合わせるからな、気まずいのはごめんだ」

「だろ?だからやめとけ。」


 部屋から出た俺は逃げるようにトイレに向かった。昔父親が酔っ払って帰って来た時に動きやすくて気に入っていた服に吐かれたことがあったため酔っぱらいの介抱は苦手だった。

 軽くトラウマを思い出し早足になり歩き出した。


「ぁ」

 その結果女の人とぶつかりそうになった。

「ごめんなさい」

「いえ、こちらこそすみませ…」

「…神代先生?」

「え?」

「え?あ、間違えました。すみません、雰囲気が僕の知ってる人とそっくりなもので…それでは、失礼します。」

 そういって俺はその場を後にしようとした。なんか雰囲気がそっくりなんだよな。

「合ってるぞ、この格好でいきなり名前呼ばれるのが初めてだから驚いたがな」

「…ほんとに?」

「気を引き締めるためにスーツを着たら見た目で男と勘違いされてるからな、スーツ姿でしかあっていないお前に声をかけられると思ってなかったな」

「勘違いされてるままでいいんですか?」

「チャラい奴らからのナンパが無くなったぞ」

「…つまり、いつもは気を引き締めるためにスーツを着て今は羽を伸ばしてるってことですね」

「そういうことだ。この前、お前に私が女だとクラスで言っていたがあまりそのことを口に出すなよ?羽を伸ばしにくくなるからな」

「分かりました。でも、まさかほんとに女の人だとは思いませんでしたよ。」

「あの服装の敵ではじめて奴の中では気づく奴いなかったんだけどな」

「…これからは人前では言わないように気を付けます。」

 この人がすごくにらんでるせいで無茶苦茶怖い。

「分かればいいんだ。それじゃあな。」

「さようなら」

「そうだ、お前らクラスでここにきてるんだな?」

「そうですけど?」

「これをやる」

「このお菓子くれるんですか?」

「あぁ、鞄に入っててな。私甘すぎるの苦手なんだ」

 あぁ、確かにこれは無茶苦茶甘い。苦手な人がいてもおかしくはないな。

「じゃあな」

「(この人一人でカラオケにいるけど一人で歌ってんのか?)」

 そういって、神代先生は歩いてどこかの部屋へ行った。

 しばらくして、部屋に戻ると大野と佐伯がすごく疲れているように見える。何があった?

「よくぞ帰ってきたな、雨田」

「…にゃ~?」

「この人型猫生物をどうにかしてくれ」

「飛菜子、餌だぞ」 

「にゃ~、にゃ」

 個包装の袋から出し飛菜子に投げると、見事に口でキャッチした。

 ほんとに猫なんじゃないだろうか?

 大野が人型猫生物っていいってたな。まさにその通りだな。

「雨田が都留さんを餌付けしてる…」

「主従関係が構築されてるんじゃない?」

「佐伯、主従関係ではない!!ただの友達だ!!」

「(それでもかなり仲がいいよね?)」

 華麗は丸まったまま寝てる…

 人間ってその大勢の方が寝やすかったっけ?

 ある意味、華麗も人型猫生物だ。


 しばらくして…

 プルプル

 いきなり電話が鳴り霧島が出る。

「そろそろ時間になるからみんなラスト一曲ね」

「はーい」

------------------


「おーい、飛菜子帰るぞ」

「にゃ~」

 背を傾け飛菜子を背負う。

「じゃあな、こっちは華麗を背負って帰るからそっちはその人型猫生物をしっかり面倒見て帰れよ?」

「あぁ」

 あれからしばらくして、クラス会は解散になった。途中ほかの部屋の様子を見たらみんなかなり歌っていた。

「にゃ、にゃ、にゃ~」

「飛菜子、暴れるな」

「にゃ~」

「そろそろ帰るわ、これを背負ったままだと体力がすぐ無くなる」


------------------


「家に着いたぞ」

 今飛菜子は気持ちよさそうに背中で眠っている。猫みたいに鳴いて暴れるから苦労したが、やっと帰ってこれた。店から飛菜子を背負って帰ってきたのですごく疲労感がある。

「こんにちは、雨田くん」

「あぁ、こんにちは」

 いきなり声をかけられて見てみると、飛菜子の家に都留父がいた。

「飛菜子からはクラス会に行くと聞いていましたが疲れて寝てしまったんですか。」

「…少しありまして…」

「なにかな?」

 俺はこの状態に至った経緯を説明した。

「そんなことがあったんですか。ところで、何も手を出してないんですか?」

「手を出す?ただ背負って帰ってきただけですよ?」

「まぁ、それならいいんだ。飛菜子が迷惑をかけたね。」

「別に迷惑とは思ってませんよ。友達ですし、助け合うのはお互い様です。」

「とりあえず、飛菜子を背負って部屋に上げってください」

「分かりました。」

 娘を持つ父親ってなんか怖い。

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