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勘違いの果て  作者: SSiNN
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6.明日は土曜日(中)

 家の前に着き、私服に着替えて飛菜子の家に行く。

 チャイムを鳴らすとすぐに飛菜子が出てきた。

 飛菜子も私服に着替えていた。

 派手ではなく地味でもなくいたって普通だ。

「こんばんは」

「こんばんは、雨田は予定大丈夫だったの?」

「両親が単身赴任中で暇だったぞ」

「よっかた」

「今日は何にするんだ?」

「まだ準備中だけど、カレーにしようかと…」

「カレーか、何か手伝うことはあるか?」

「…じゃあ、雨田には玉ねぎを切ってもらってもいいかな?」

「分かった。」


------------------


「うまい、」

「おいしいね、」

 俺と飛菜子が作ったカレーは牛カレーでこの間スーパーで買った牛肉を使ったカレーだ。

 あんまり牛カレーは聞かないから少し驚いたけど、思っていたよりおいしい。自分たちで作ったものはいつもよりおいしいというのは正しいと思う。

 二人でカレーのお替りをして鍋がからになり、二人でテレビを見ながら小説を読む…ゆっくりすることになった。

「雨田はあれから華麗ちゃんとはどうなの?」

「どうって?」

「あれから何かあった?」

「いや、何もなかった」

「そっか(華麗ちゃんは雨田のことが好きなら、何か起きてもいい気がするけど…)」

「なんだ?どうしたんだ?」

「なんでもない、ちょっと気になっただけ…」

「そうか…」

「雨田は華麗ちゃんのことを好き?」

「…、何だ?べ、別に…華麗を好きではいたけど、叶わないと分かったのならもうあきらめないといけないと思う。それに華麗と大野はお似合いだしな、」

「雨田はあの日華麗ちゃんになんて言われたの?」

「あの日か…」


------------------

「ヒントは『私とよく一緒にいる人』」

------------------

「分からない?じゃあもう一つ『出席番号が一桁』」

------------------


「だったかな」

「…」

「どうした、今こんなことを聞いて」

「(華麗ちゃんとよく一緒にいてかつ出席番号が一桁の人?1番雨田隆一 2番井上さくら 3番大野一 4番加藤瞳 5番霧島由紀 6番…。大野君かな?)」

「おーい」

「…ごめん、なんか言った?」

「いや、なんでもない。(なんか様子が変だな)」

「…そういえば雨田のご両親ってどこに単身赴任に行ってるの?」

「関東あたりだったはず」

「はず?」

「正確な場所を忘れた」

「記憶力いいのに?」

「多分それは文字を読んだときに覚えるのであって聞いたことを全部覚えているわけではない」

「そうなんだ…」

「飛菜子の親は何の仕事をしてるんだ?」

「うーん、あんまり聞いたことがないね」

「そうなの?」

「昔はお父さんは家でパソコンと見つめ合ってたのは覚えてる」

「パソコン関係の仕事?」

「うん、中学に入るときにお父さんの昇格で引っ越して友達作りに失敗してみんなからバカにされて…」

「それで高校に入るときにまた引っ越して来たのか。」

「でも今は雨田と華麗ちゃんと大野君がいる。結果的に引っ越して関係をリセットっていうのは成功したみたい」

「そうか、よかったな。」

「これからもよろしくね。」

「あぁ、こっちこそ」


------------------


「明日って何時に店だっけ?」

「明日は一時前」

「場所は?」

「言っても多分分からないぞ」

「方向音痴を克服するために教えて」

「駅前の商店街を入って少ししたところにあるrainっていう店だ」

「駅前の商店街のrain…、分かった。」

「明日は一人で行くのか?」

「明日は雨田についていく」

「先に華麗と行く約束してたから華麗も一緒だぞ、」

「あ、そうだった。」

「でも、私一人で行ける気がしないから」

「克服するんじゃないの?」

「いきなりは無理だよ」

「じゃあ、一緒に行くか…」


------------------


「今日はもう遅い、そろそろ俺帰るわ」

「そうだね。でも外すごい雨降ってるよ?」

「家が隣だしそんなに濡れないだろう」

 ピカ、

「きゃ、」

「そんなに驚くことか?」

 ゴロゴロゴロ…

「………」

「マジ?」

「マジです。」

「一人で家っていうのは大丈夫?」

「…ムリかも…」

 まぁ、一目見てもわかるなこれは…完全に腰が抜けてる。

「雷苦手?」

「いきなり光っていきなり音が鳴る乗ってコワ」

 ピカッ

 ゴロゴロゴロ

「まぁ、とりあえず俺はどうすればいい?」

「…とりあえず雷がやむまでここにいて」

「分かった」

 現在pm10:00やむかな…


------------------


 あれから30分…雷が落ちる回数は減りはしたがまだ鳴っている。そのたびに飛菜子が怯えて帰れなくなった。

 時間的に寝る準備をしないといけない時間帯になってきた。どうするか…

「飛菜子、まだ雷怖いの?」

「家が隣なのにこの家で風呂に入るの?」

「見殺しにするの?」

「そんなに怖いか?」

「怖いものは怖い」

「まぁ別にいいけど」

「雨田、泊っていかない?」

「この家に?」

「うん」

 そんな…涙目で見られても…

「分かったよ。」

 今夜、飛菜子の家に泊まることが決定した瞬間だった…

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