馬鹿がやってきた。
とある金持ち高校。
完全寮制の男子校では各家業の跡取り息子など、至ってハイレベルな小等部から高等科までエスカレーター式の格式高い坊ちゃんたちが通う場所。
立地条件は今時学生からすれば最悪中の最悪。山の中に立てられたこの高校は景色も空気もいいといえばいいが。
そんな閉鎖的な場所だからか、校内にはスーパーのようなものまである始末。ここだけでちょっとした街のようである。
だがちゃんと手続きをすればバスで街までいけるようになっている。
まあ男ばかりの中少しの開放という事ではっちゃけすぎて風紀の取り締まりで滅多打ちにされる奴等も少なくない。
まさにこの学園だけ治外法権。
さらに言えばこの学園では身分でクラス分けされていたりする。
学園でもっとも力のあるS、スペシャルクラス。
主に生徒会や風紀委員会、有名所の御曹司たちがいるクラスだ。
そしてその次に力のある上流階級、大手会社のご子息などがいるA、エリートクラス。
そして中間にいるのが救済措置というか、まあ庶民文化にぼんぼんを触れさせてもいいだろうというアレで作られたB、特別待遇クラス。
裏では凡クラ(平凡クラス)と呼ばれている。
ちなみに俺はこの凡クラにいる。
凡クラでも小金もちはいるし一般家庭より上の者たちが多くを占めている。
そして学園のゴミ溜め、C、D。アブノーマルクラス。
Cクラスからちょっとした問題児にいたり、Dクラスに至ると極道の息子やマフィアの息子、手に負えない問題児たちがいる最悪クラス。
ただし力的にはSクラスと変わらない力を持っている。
と、まあちょっとした格差社会なわけだ。
エリートクラスの奴等は何かと嫌な性悪が多い、凡クラは本当にごく普通だ。普通の奴にホモをくっつけた感じ。
で、アブノーマルはまじでアブノーマル。成績もノーマルよりいいし運動神経や武道にいたってはオカマみてぇな坊ちゃんどもとは非にならねーぐらい。
まあそんな中で生活していくわけだが、男子高校生となればムラムラっとしちまう事もあるわけで。
だけど学園には男しかいないわけで。
となると必然的に男同士のセックスが起こるわけで、つまり結論だけいうとこの学園はゲイ4割バイ4割ノンケ2割という少子化の世に大打撃を与える産物になったわけだ。
女といってもいいほど可愛らしい華奢な生徒、肉だるまのような生徒、モデルのような生徒、絶世の美少年に美形。
生徒の半数以上が容姿がいいなんてなんたるいじめか。
その中で各自突っ込む側突っ込まれる側になっていくわけだが。
ノンケ2割のストレスが計り知れない。
そして長々しく校内のあらすじを語る俺といえば、ある日突然転入してきた馬鹿のせいで生活いっぺんした被害者。
…を、教室の端から見ていたにもかがわらず厚い人望によって巻き込まれた可哀想な非力なおしとやか委員長だ。
なんちゃって。