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俺達はエリーナにダンジョンであった事などを話す為に、ギルド職員にエリーナの執務室へと案内されてるけど……やっぱり行きたくないわ……バックれたい……でも、権力が……しょうがない、腹をくくるか。トーマさん達に応援されたしね。
そんな葛藤をしていたら、いかにもお偉いさんが使ってますって感じの豪華な部屋だと分かりそうな豪華な作りのドアの前に案内のギルド職員が立ち止まった。
「こちらがギルドマスターが居られる。執務室です」
そう、ギルド職員が言ってコンコンとドアをノックすると。
「待ちくたびれたわ。早くは行ってらっしゃい」
そうドア越しからエリーナが言うと。ギルド職員が「失礼します」と言いドアを開けて俺達に部屋に入るように促した。
「ギルドマスター、シンシア様たちをお連れ致しました」
「案内ご苦労さま」
「それでは、私はこれで失礼します」
そうギルド職員が言い立ち去ろうとした時にエリーナが
「ちょっと待って、あとで紅茶を人数分持って来てちょうだい。シンシアに出すのは勿体ないけど。こんな相手でも、一応お客様って事だから茶葉は最高級のでお願いするわね」
それを聞いた。ギルド職員が「かしこまりました。それでは、後ほどお持ちします」と言うと執務室を後にした。
その話を聞いて俺はシンシアの方を見ると。シンシアさんは少しイラッとした顔してたけど。とりあえずエリーナの煽りを無視ていた。
どうやらマインドガードが効いてるようで、普段だったらエリーナの煽りに対して沸点が低いシンシアさんだけどマインドガードのおかげで言い争いに発展しなくて良かった。
これで話し合いもスムーズに進みそうだな。
「あら、シンシア、いつもだったら、わたしが話したら、喧嘩をふっかけてくるのに今日は大人しいわね。何かなんか変な物でも食べたのかしら」
「フン、変な物なんて食べてないわよ。それよりもこっちは色々と忙しくなるんだから、さっさと聞きたいことを言いなさいよ」
エリーナは嫌味を言ったのにたいして反応しなかった。シンシアさんを見てかなり驚いた顔した。
エリーナは少し考えた顔をしたかと思えば、今度は冷静な顔して俺たちに質問して来た。
「まぁいいわ、取り敢えず。聞きたい事はダンジョンないで、何が起こったか詳しく教えて貰えるかしら」
「わかったわ。説明は私がするけど、2人ともいいかしら」
シンシアさんの言葉を聞いて俺とナユナはお互いを見てから、シンシアさんに頷いた。それを見たシンシアさんはダンジョンで起きた。これまでの事を真剣な顔をして話した。そしてそれを聞いてたエリーナは、こちらも真剣な顔して聞いてた。途中質問などをする時もさっき見たいに嫌味やを言わず真面目に質問をしていた。
こうやって真面目に2人が話してるのを聞いてると、やっぱり2人はギルドマスターなんだなってしみじみに思った。そんな事を考えながら、話を聞いてたら話も一段落つた時にコンコンとドアを叩く音がしたので、エリーナが「入って来なさい」と言ったら、ギルド職員が「失礼します」と一言言って入って来てテーブルに紅茶の入ったポットとカップを置いて、また「失礼しました」と一言言ってドアを静かに閉めて出て行った。そして、エリーナはカップに紅茶を注ぎ一人一人の前にカップを置いた。
「まだ聞きたい事があるけど、紅茶も来た事だし休憩しましょう」
「それはいいわね。私も話疲れて喉が渇いたしちょうどいいわ。ありがとうエリーナ。それじゃあ、頂くわね」
そう言うとシンシアさんは優雅に紅茶を飲みだした。それを見たエリーナはびっくりした顔して「あのシンシアがお礼を言うなんて」と小さな声で呟いた。そして、エリーナが出してくれた紅茶は前世でも今世でも飲んだ中で一番美味しかった。
「これから、肝心な事を聞くけど。サキュバスを倒したあとに出現した魔法陣で、今まで入れなかった。真の最深部に行けたわけね。よく魔法陣が起動したわね」
「ええ、そうよ。魔法陣が起動したのは、りっ.......ちょっと失礼。ごほんごほん、軽く魔力を通したら起動したのよ」
「そう、魔力を通したら起動するのね」
いま、シンシアさん俺の名前出そうとしたな。咳で誤魔化せたけど。多分マインドガード使ってなかったら、テンション上がって俺の名前言ってたかも、よかったマインドガード掛けておいて、エリーナも仕事モード見たいだから、シンシアさんの下手な誤魔化しもスルーしてるし。
「それで、私達が最深部で手に入れた物はオリハルコンとアイテムBOX3つといま、りん君が使ってる。オリハルコン製の鞘よ。報告は以上よ!」
おお、シンシアさん。経験値飴の事は言わなかったぞ。最後の方テンションが上がってたから、勢いで言っちゃうかと思ったけど。大丈夫だった。本当よかったマインドガード掛けておいて、経験値飴なんて知られたら、大半な事になりそうだもんね。何ったってあの不味い飴を食べただけでレベルが100以上も上がるんだもんね。あれはチートレベルだわ。ただし死ぬほど不味い飴を吐き出さないで食べないといけないけどね。
う~ん.......あの味を思い出しちゃったよ。とりあえず口直しに紅茶でも飲んでよ。
「以上ってなにがよ!!「ブッ―!ゲホゲホ」」
俺が紅茶を飲んでる時に突然エリーナの怒鳴り声にびっくりして飲んでた紅茶が気管に入って咳をしていると、ナユナが慌てて背中をさすってくれた。ナユナに「ありがとう」と言っていたら、またエリーナが怒鳴り声を上げながら、シンシアさんを睨んで
「シンシア!!貴方ギルドで一番大切な報告があるでしょう!!貴方が今回手に入れた。エリクサーの報告がまだないじゃない!!昨日食堂で貴方達がエリクサーを手に入れた事はギルド職員が聞いたのよ!隠さないで出しなさいよ!」
「あっ?!あれね。もう使っちゃったから、無いわよ」
「はぁ?!エリクサーを使っちゃったって、どう言うことよ!」
「いや~、あれね。りん君の顔の傷を治すのに使っちゃったのよね」
軽い感じでシンシアさんが言うと、一瞬エリーナが俺を睨んでまた怒鳴り声上げながら
「顔の傷を治すだけでエリクサーを全部使ったって言うの!!.......はぁー.......貴方いままで馬鹿だと思ってたけど大馬鹿よ!!エリクサーをダンジョンで手に入れたら、まず先にギルドに報告するのが決まりでしょう!!そんな事、初心者でも知ってる事よ!!それにいま教会には聖女が居ないからエリクサー作れなくって、エリクサーが高騰してる事は知ってるでしょうが!ヴェルザンディ教会オタクの癖にそんな事も忘れたの。これだから、馬鹿は嫌いなのよ」
そんな罵倒をシンシアさんはポカーンとした顔して聞いていた。
えっ、エリクサーってダンジョンで手に入れたら、報告しないといけなかったの!?でも、昨日トーマさん達と話してた時はそんな事言われなかったんだけど。そんな事を考えていたら、クロが呑気な声で
《そう言えば。2人の話で思い出したんだけど。りんも神聖魔法使えるから、エリクサー作れるよ》
《はぁ?!そんな話知らないんだけどって言うかエリクサー作れるの?》
《うん、簡単に作れるよ。水に回復魔法掛ける感じでやれば多分作れると思うよ?》
《なんで最後疑問系なのさ》
《オイラ、神聖魔法の事はあまり詳しくないもん。昔、天界で地上の聖女が水?に神聖魔法掛けたら、エリクサー作ってるの見た事があるから、りんも作れると思うよ》
相変わらずのクロの爆弾発言でビックリしたけど、水に回復魔法を掛ければエリクサーが作れるのか、機会があったら作ってみるか。
「シンシア、貴方の事はギルド本部に報告するわ。多分これで貴方はギルドから追放処分されると思うわ。短い間だったけど、ギルドマスターお疲れまです」
「はあ?!追放ってエリーナ!貴方だって色々と違反してるじゃない。貴方のお目当の冒険者で基準に満たしてない冒険者の冒険ランクを上げたりとかしてるじゃない!あれだって追放ものよ!」
クロとの会話でシンシアさんとエリーナの会話ちゃんときいてなかったら、いつの間にか言い争いになってた。それにいつの間にかシンシアさんのマインドガード解けてるし。あと、シンシアさんがギルドから追放処分って.......
「すみません。トイレに行ってきてもいいですか?」
「ぷッ、シンシア。貴方のお気に入りの子って貴方の立場が悪い状況なのにトイレに行きたいだなんて笑えるわ。えっとオ……りん君だったかしら、行ってきなさいよ」
「また!りん君を馬鹿にして!エリーナ今日と言う今日は許さないわよ!」
「何が許せないのかしら、ヴェルザンディ教会・オ・タ・ク」
エリーナの煽りでシンシアさんのゴングがなったのか2人で言い争いの喧嘩が始まっちゃったよ。
ここはナユナに悪いけど、この場は任せて俺は素早く執務室を出た。
《クロ、本当に水でエリクサー作れるの?》
《大丈夫だよ。りんなら、ちゃんと作れるよ!》
う~ん、ちょっと不安だけどシンシアさんがギルド追放処分されるかもしれないから気合を入れてエリクサーを作らないとな。
そんな理由で初エリクサー作りのためにトイレへ向かう俺なのであった。(まさか、初エリクサー作りの場所がトイレになるなんてな.......)




